妊娠の基礎知識/妊娠中の不安・疑問

妊娠中・妊婦におすすめの運動と注意点

健康で妊娠経過が順調ならば、妊婦が運動しても何の問題もありません。適度の運動であれば、ほどんどの妊婦には体によいとされています。ウォーキング、スイミング、ヨガ、エアロビクスなど、妊娠中に運動をすることはすでに一般的ですが、妊娠中の運動は有酸素運動が最適です。

竹内 正人

執筆者:竹内 正人

妊娠・出産ガイド

妊娠中の適度の運動はほどんどの妊婦によい効果がある

妊娠中の適度の運動は、肥満の予防や気分転換など様々な面で効果的

妊娠中の適度の運動は、肥満の予防や気分転換など様々な面で効果的

ウォーキング、スイミング、ヨガ、エアロビクスなど、妊娠中に運動をすることはすでに定着しています。確かに、健康で妊娠経過が順調ならば、妊婦が運動しても何の問題もありません。適度の運動であれば、ほどんどの妊婦には体によいとされています。

運動不足の解消、肥満の予防、気分転換、活力が湧いてくる、友達作り、持久力を高める、よく眠れるようになる、腰痛、便秘、手足のむくみの改善など、妊娠中の運動にはメリットが沢山あり、最近では、かなり激しい運動をしても、早産のリスクを高めることはないと言われています。

とはいえ、やっぱりお腹のなかには大切な赤ちゃんがいます。スポーツ活動によって、母子に何らかの異常を生じては本末転倒です。やっぱり、基本的なルールを守りながら、スポーツを楽しむのがよいでしょう。無理は禁物です。

■妊娠中の運動・目次  

妊娠中の運動は有酸素運動が基本

有酸素運動とは、リズミカルに繰り返して体を動かし、酸素を使ってエネルギー源として体内に蓄えられている脂肪を燃やす運動のことです。具体的には、サイクリング、エアロビクス、ジョギング、水泳などがこれにあたり、効果を上げるには20~30分続けて運動する必要があります。妊娠中の基本はこの有酸素運動です。有酸素運動により、酸素を取り込んでエネルギーに変換する能力が高まることはお母さん、赤ちゃんともに大きなメリットがあります。

有酸素運動に対しては、無酸素運動があります。瞬間的に強い力が必要な時は、肺から取り込んだ酸素の供給だけでは追いつかなくなり、無酸素下で筋肉に蓄えていたグリコーゲン(糖質)をエネルギーに作りかえる状態へと変わります。筋力トレーニング、重量挙げ、短距離走などです。酸素を必要としないので短時間しか運動できませんが、筋肉を鍛えることができる運動のことです。常識で考えても、赤ちゃんがいる妊婦には向いてはいない運動です。

ただし、筋力トレーニングでも、息を止めず、ふんばることもしなくてできる、10kg以下のウェイト・トレーニングなどは、筋力の緊張を高めるのに効果的です。
 

妊娠初期の運動は流産につながる?

妊娠中の運動は、つわりが終わって安定期に入る妊娠4カ月(12週)以降からが一般的にはすすめられます。

ただし個人差はあります。妊娠前から運動をしていた人が、妊娠したからといって急に何もしなくなってしまえば、体はなまり、気持ちもふさぎこんでしまうことがあります。無理は禁物ですが、初期であっても体調に合わせて体を動かすことは問題ありません。「適度」とは人それぞれで違います。なお、運動と流産は直接の関係はありません。
 

安産のためにはウォーキングが一番です

安産のためにはウォーキングが一番!体重管理や便秘解消などにも効果あり

安産のためにはウォーキングが一番!体重管理や便秘解消などにも効果あり

妊娠中の運動は1人であれ、グループであれ、いやいやでなく、楽しみながらするものです。一番お気軽にできるのはウォーキングです。友だちと会ってお茶を飲むかわりに、パートナーと家でゴロゴロしている代わりに、一緒にウォーキングをしてみてはどうでしょう。

正しい姿勢で速めに歩けば、効率よくカロリーを消費できて体重管理に役立つほか、腰痛や肩こり、便秘、むくみなどのマイナートラプルも解消するというおまけつきです。コツコツ続ければ体力もアップ。お産を乗り切るのにも、産後の回復をよくするのにも、そして体力勝負である育児にも、威力を発揮すること閻違いなしです。
 

ただの散歩をマタニティーウォーキングに

ポイントを以下にあげておきます。早速、今日から始めてみましょう

■始める前と終わりには、必ずストレッチ運動を
運動前のストレッチは、体を運動するのに適した状態にし、運動効果を上げ、けがをしにくくします。運動後のストレッチは、筋肉をほぐし、翌日に疲れを残すことを防ぎます。

■歩くのに遁した靴を
足を保護し、着地の際の衝撃をやわらげる、弾力のある厚めの底の靴がおすすめです。もちろん、滑りにくいものを。妊娠中は足がむくみやすいので、靴の大きさを調節できるものがより便利でしょう。

■両手を自由に
腕を大きく振って歩くためにも、転びそうになった時のためにも両手を自由にしておきましょう。そのためには荷物はリュックにがベストです。母子健康手帳、保険証、タオルのほか、水分補給のためのミネラルウォーター類も忘れずに。

■正しい姿勢で
背筋を伸ばして胸を張り、少しあごを引きます。目線は数メートル先を見るように。体全体で前方に移動するようなつもりで足を運びます。足の運びは大股が基本です。着地はかかとから。ひじは直角に曲げて、前後に大きく振ります。

■ぺースを守って
元気なときは速く歩き、疲れたら遅くなるというのではスポーツにはなりません。1分間に60メートルくらいのスピードで歩くのが妊婦さんには最適。まずは毎日最低30分くらい続けて歩くのを目標に。

■疲れたら休み、気分が悪くなったら中止しよう
疲れたと感じたら、無理せずに休んでください。コースを決めるときにはトイレの場所も確認して。調子が悪けれぱ中止してください。

>> 妊婦スポーツの安全管理基準とは?
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