アパートマンション経営/収益をアップする貸し方・テクニック

メンテナンスの費用が高止まりしていませんか? エレベータメンテ費用の見直し

土地活用成功の秘訣は空室対策ももちろん、経常的に支出する経費を見直すことも重要である。そこで今回はエレベータメンテナンス費用について解説しよう。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド

大家さんにとって、いかに空室を出さないようにするか、いかに早期入居を実現するかは非常に重要である。

しかし、たとえば、ガソリンタンクに穴が開いていて、そこからもれていたらどうだろう。
常にガソリンを満タンにして走っても、全く意味がない。

アパート・マンション経営の場合、この穴が経費である。
今回はこの経費を見直すことにより支出を少しでも抑え、収支を改善する方法について解説しよう。
その一例として、エレベーターのメンテナンス費用の見直しを実例を挙げながら解説する。
中には、バブル期のメンテナンス費用がそのまま高止まりしているものもあるため、これを読めば、あなたも月額数万円の経費削減を図ることもできるかもしれない。

エレベーターメンテの契約は2通りある


エレベーターのメンテナンス契約には大きく2通りある。

1、フルメンテナンス契約
月約35,000円~50,000円(規模などにより異なる)
エレベーターに関する機器装置などの各部品の点検・ 給油・調整を行い、 故障や劣化した部品の交換、修理をする契約。 修理費用は月々の保守料に含まれている。

2、POG契約(P=パーツ・O=オイル・G=グリースの略)
月約20,000円~30,000円
エレベーターに関する機器装置などの各部品の点検 給油・調整を行う。
電球・ヒューズ・リレーリード線 などの小消耗品は保守料に含まれているが、 その他の部品の交換、修理は別途料金になる。
フルメンテナンス契約に比べ、月々の保守料金は 低料金設定になっているが、エレベーターのコンディションは、フルメンテナンス契約と変わりない。

独立系のメンテナンス会社との比較

通常エレベーターメンテナンスの契約をする場合にそのメーカーのメンテナンス会社と契約される場合がほとんどであると思う。
東芝製のエレベーターであれば同系列の会社のメンテナンス、三菱製であれば三菱系列になる。
しかし、最近は独立系(設置したエレベーター会社系列でない会社)の会社も多くあり、そういった会社とメンテナンス費用の比較をされることをお勧めする。
実際に私のところに相談のあったある大家さんの例を挙げてみる。

この大家さんは、毎月のメンテ費用が高すぎるのでは、といったことで相談があった。
私は毎月の契約の明細を基に独立系の会社に見積りを取ってみた。
すると、同じ契約内容でナント月に20,000円もメンテ費用に差があったのである。

しかし、値段が安いからといって系列の会社より独立系が良いということではない。
設置した会社がその後もメンテナンスをするほうがいいに決まっている。
また、提示された金額そのものを疑ってほしい、という意味でもない。
なぜなら、安かろう・悪かろうでは何の意味もないからである。

重要な事は、提示した契約内容や料金が適正なものかを自らが知り、判断することである。
判断するポイントとしては2つある。

1、契約がフルメンテナンスかPOG契約かどうか?
2、最低2社以上から同じ条件での見積りを取り、内容を比較する。

エレベーターに限らず、定期清掃・設備メンテ・消防点検など賃貸事業に纏わる経費はたくさんある。
ぜひ、この機会にメンテナンス費用を見直してみてはいかがだろうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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