正面を向いて笑顔で話す
顔の向きを変えるだけで電話の対応が変わってくる
1つめは声の大きさです。仕事中に電話をとると、デスクや手元に視線がいくので顔が下を向きがちです。この体勢だと、声帯が圧迫されて小さな声になりますし、気持ちも大きな声は出しにくいですよね。試しに下をむいて「アー」と声を出してみてください。そのまま顔を上げて、もう一度「アー」と声を出してみてください。圧迫されていた喉の部分が開放され、大きな声になるのがおわかりいただけると思います。ハッキリ聞きとりやすい声で話すことは、電話での話し方の大前提。これが、受話器をとる時に顔を上げるというアクションを習慣化するだけでできるようになるのです。
2つめは丁寧さです。子供の頃を思い出してみてください。お父さん、お母さんの目線は皆さんより高い位置にあったはずです。学生時代を思い出してください。先生は立っていて生徒は座っているので、皆さんは高い目線の人から指導されていたことになります。こういう環境で育ってきたこともあり、私達は目線の高い人からの話しを受け容れ易い傾向があるそうです。
交渉や説得のテクニックにホワイトボードを使って話すというのがあります。こうすることでリーダーシップをとれるだけでなく、高い目線を確保することで相手を説得しやすくなるからです。
電話で話す場合、対面の時よりも丁寧に「あなたを大事にしていますよ」というニュアンスを伝えたいので、このテクニックを応用します。正面よりやや上を向いて、そこに相手がいるように話してみてください。不思議に感じるかも知れませんが、いつもより丁寧な対応が自然にできるようになりますよ。
レモンを想像すると唾液がでるように、行動と心理には密接な関係があります。声の大きさや丁寧さを地道に練習するのは素晴らしいですが、アクションを変えるだけでも効果は出ます。ゲーム感覚で取り組んでいただけたらと思います。
電話で話すときの笑顔の作り方
電話で話す時の笑顔の作り方をご紹介しましょう。笑顔を作ろうとすると、ついつい口元だけで笑顔を作ろうとしてしまう方が多いと思います。口元だけの笑顔は話しているうちに素に戻ってしまうので、目元で笑顔を作るようにしましょう。
まずは鏡の前に立って笑顔を作ってみてください。その口元を手で隠し、目をチェック。あなたの目元は笑顔になっていますか?目元が笑顔になっていなかった人は、いつもの2倍くらいの笑顔を作る気持ちで笑ってみてください。その状態で口元を隠してみると、目元を見ても笑顔になっているはずです。この感覚を体験してから、もう一度目元を含めた顔全体で笑顔を作る練習をすると、口元を大きく開かなくても笑顔の表情ができるようになります。この笑顔が電話に最適な笑顔です。
電話に出る時の表情は、皆さん気をつけていらっしゃると思います。それがいつの間にか無表情になってしまうのは、口元だけで作った笑顔が素の状態に戻ってしまうから。目元で笑顔を作れるようになると、大きく口を動かしても笑顔をキープすることができるようになります。
笑顔をキープすることができれば、感じのいい対応はできたも同然。なぜなら笑顔のままで、感じの悪い対応をするのは思っている以上に難しいからです。同様に、ムスっとした表情で感じのいい対応をしようとするのも難しいのです。