敷金精算での特約条項は明確にする必要があります。 |
最高裁で敷金清算問題について初判断
12月16日、最高裁で賃貸住宅の入居者が、退去する際の敷金清算問題について初判断が下されました。内容は、自然に傷んだ内装費について、貸主・借主との負担区分についてです。
今回は、敷金清算問題の判決内容について解説したいと思います。
自然損耗は貸主負担
判決内容によりますと、「敷金精算区分について、貸主が契約書に具体的に明記するか、口頭で説明し、入居者がその内容を明確に認識して合意した場合に限り、差し引きは許される。」のことでした。
この訴訟は、大阪府の公社と会社員との間で行われていました。3年間入居した部屋の補修費について、公社側と会社員との間で契約時に
「生活することによる、襖や床の変色は入居者負担」となる特約条項が結ばれていたのです。その特約条項に基づいて、会社員退室時に約30万円の補修費を公社側が敷金から差し引いたことが発端でした。
1審・2審では「特約によって合意が成立しており、差し引きは正当。」との判断が下されていましたが、最高裁の判断は
「特約の内容を明確にする説明が無かった。」ということで敷金からの補修費差し引きは、認められないという結論に達しました。