平成21年8月27日、大阪高等裁判所において、『賃貸マンション等における更新料は、消費者契約法第10条に反して無効』という判決が出ました。

過去に賃貸物件を利用された方ならご存知の通り、おおむね2年毎に約1ヶ月分の賃料相当額を賃貸借契約の更新料として支払われた事かと思います。
それが無効という判決が出たのです。

ちなみに、この無効判決は一ヶ月前の7月にも別の裁判で出ており、今回で2例目です。

現在、貸主側は最高裁に上告予定との事ですが、もし判決が確定となれば、現在賃貸中の方から過去に利用されたご経験を持つ方まで、非常に多くの方に影響を及ぼす内容となるでしょう。

ある意味で、『常識を覆した判決』である今回の結果。
非常に興味が尽きない内容です。


そこで、今回の内容が実際にどのような影響を及ぼすのか、前もって見ておきたいと思います。


そもそも消費者契約法に反して無効とはどういう事?

そもそも消費者契約法に反して無効とはどういう事?
そもそも消費者契約法に反して無効とはどういう事?
まずは、今回の判決における『消費者契約法』を見ておきましょう。

この消費者契約法とは、消費者と事業者の情報や能力の格差から生じる不都合を解決するため平成13年4月1日から施行された法律ですが、今ではその名前については多くの方がご存じかと思われます。
一言で言えば『消費者が誤認・困惑して結んだ契約は取り消せる』というものです。
つまり、消費者が勘違いしたり、混乱して結んだ約束に効力はない!ということです。

また、今回の判決で用いられた第10条とは、『消費者の利益を一方的に害する契約条項は無効』
と定められております。

つまり、今回の判決では、「賃貸借契約における更新料とは、消費者の利益を一方的に害するものである」と言っている訳です。

しかし、そもそもこの更新料は古くは1950年頃に始まり、現在では金額の差はあっても多くの地域で商慣習として十分に定着しているようにも思えます。
みなさんも賃貸物件を利用する際には、更新料は当然に発生する費用として計算し、賃貸を検討された事もあったのではないでしょうか。

現実に、最近では平成20年1月30日にも同種の裁判がありましたが、この時には更新料を認め消費者契約法第10条にも当たらない、というまったく逆の判決が出ておりました。

簡単に要約すると、去年までは貸主の立場重視で、『更新料はあって当然、それは消費者もよく理解した上で契約したはず、上昇傾向の家賃の補完という側面でも根拠は十分』という事でした。

ところが今回の判決は借主の立場重視で、『家賃を安く見せる詐欺だ、消費者は深く理解できずに契約させられている、賃料も下落傾向に変わり、今では家賃の補完にはならない』との事です。

裁判所ですらも、『もう時代が変わった』・・・との判断のようです。

更新料は有効なのか、それとも無効なのか。
次のページでは、仮に更新料が無効となれば、どのような事になるのかを考えたいと思います。


次ページでは、もし無効判決なら今後の行方は? について見てみましょう。
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