それでも合わないときは・・・
この状況下で、一番まずいのは、「もう引き返せない」と思い込んで、
高い見積りのまま、勢いで建築計画を進めてしまうことです。そうすると、せっかく建物が出来上がっても、結果として、アパ・マン経営は決して思わしい結果は得られません。
たとえば、仮に空室が増えたり、金利が数パーセントでも上がれば、途端に経営が苦しくなってしまいます。さらに、周辺に競合物件が増え続けていることを考えると、オーナーは、とても大きな不安を抱えて経営しなければなりません。
ですから、安定した経営を続けるためにも、建築費をできる限り抑えて余裕を持つことが必要なのです。
勇気を出して計画を見直すことも必要
「それでも建築費が下がらず、困っているんです・・・」
「そろそろ計画をスタートしないと、工期が間に合わなくなってしまいます」
「早くしろ、と毎日のように、ゼネコンの営業マンから督促されます」
もしかすると、そんな方もいらっしゃるかも知れません。そういうときには、営業マンに何を言われようとも、勇気を出して、計画を見直すことが必要です。
例えば、構造を安価構造で見直したり、低層マンションをアパート、戸建賃貸、テラスハウスなどにしてみたり、色々な方法はあります。土地の有効活用は、アパ・マンを建築するだけではありません。他にも活用方法があるかも知れません。
実際に、アパ・マン建築が難しい場合、私はクライアントに対し、率直に、計画を中断することを進言しています。アパ・マン投資は、決して、見栄やその場の勢いでするものではなく、きちんとした収支予測の上に行っていただくものです。
経営者である以上、収支をシビアに見て、事業の是非を判断してください。
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