セキュリティータウン化による街づくりの事例も
凶悪犯罪の多発から、住まいのセキュリティーが大きなテーマとなっています。そこで家一軒にとどまらず、分譲地全体で防犯活動を行う事例が近年、一般化してきました。街のいたるところに防犯カメラを設置し、さらに警備会社のパトロールカーが常に見回る。そうしたことを実施している分譲地を「セキュリティータウン」と呼びます。各所に防犯カメラが設置されているセキュリティタウン化された住宅地もある。自宅のパソコンで公園で遊ぶ子どもたちの様子を確認したりできる |
ハードとしてのセキュリティーに力を入れることで、例えば警備会社が巡回することで、子どもたちがよく挨拶をするようになり、さらに住民同士のコミュニケーションも円滑になります。防犯というキーワードを元に街のへの愛着が高まり、ひいては資産価値の向上につながっていくというわけです。
良い住宅地には必ず良好なコミュニティーがある
良い住宅地というのは、必ず良好な住民コミュニティーがあります。分譲地の中で盆踊りやハロウィンパーティー、餅つき大会などといたイベントが積極的に行われているのか、といった点も分譲地選びの際にはチェックポイントとしてみてください。良好なコミュニケーションが形成されている住宅地では、子育てもしやすいはず。近所づきあいの中で子どもの健全な成長も期待される |
このほか、街の景観を維持するために、定期的にガーデニング教室を開催している分譲地もあります。このようなイベントを通じて住民同士の交流、良好なコミュニティーの形成を推し進めているというわけですね。
欧米では伝統的に街の資産価値に関する考え方が定着していますから、供給者側が積極的にコミュニティーづくりに関与することはありません。しかしながら、まだ日本には資産価値の考え方が十分に浸透していません。
既存市街地をみれば一目瞭然。建物の外観やデザイン、建築時期がバラバラ。デザインだけをとっても和風に洋風、和洋折衷と様々で、洋風の中にも様々なタイプが氾濫しています。そんなカオス的なまちなみもまた味があるといえばあるのでしょうが。
次のページでは、住まいや分譲地には「わかりづらい価値」があることをご説明したいと思います。