「えっ?今回は賃貸の話じゃなくて、金融の話なの?」と思われた方、実は今回はその両方の話。簡単に言うと、不動産投資信託を購入し、その配当によって賃料を払うという、これまでにない新しい方法。
これでも???という方のために、この方法を提案しているケン不動産投資顧問株式会社の調査企画部長・伊東尚憲さんにお話をお伺いしました。
J-REITに投資して賃貸に住むって?
K(加藤、以下同):まず、今回のスキームを説明してもらえますか?
I(伊東さん、以下同):簡単に言いますと、賃貸の入居希望者に不動産投資信託(J-REIT)を販売します。これが毎月、分配型のファンド(投資信託)購入していただくことになり、その分配金で毎月の賃料を払っていただく、というものです。
K:どうしてこういうスキームを考えられたのですか?
I:このスキームの最大ポイントは、「住宅の使用・居住すること」と「不動産投資すること」を分けたことなんです。
持家を取得することは、住宅を使用しながらその住宅に投資することに他なりません。1物件に対して高額な投資をしているわけです。その住宅を使用しなくなったときは、どうなるでしょうか?焦って売却すれば安く叩かれますし、そのままにしておけば賃料収入も入らない、住宅ローンを組んでいれば支払いをしなければなりません。
これを投資は投資として行い、住宅の使用は使用として行うようにしたのが今回の「分配金充当型賃貸住宅」というわけなのです。
持ち家と分配金充当型賃貸住宅の差は、投資するものが不動産(購入した持ち家)なのか、それともそれ以外の金融商品なのかという点。また、賃貸と分配金充当型賃貸住宅の差は、賃貸が家賃の支払いに必要なお金以外の個人の資産は何に使っても自由なのに対し、その分の個人資産の運用も含めて考えている点。また、分配金で家賃を支払うと、通常の賃貸でありがちな「家賃って結局は払い捨て」というもったいなさをあまり感じないという点にあります。
このように、投資は投資として行い、住宅の使用は使用として行うことによって、資金は資金だけでの運用(たとえば、換金性が高くなるとか)がしやすくなります。また住まいも持ち家とは違って賃貸ですからライフスタイルに合わせた住み替えが簡単にできるというわけなのです。