1)収納
2)トイレ
3)バルコニー
4)ロフト では、正解をお伝えする前に、まずは専有面積について解説します。
専有面積とは? 「壁芯」に注意って?
マンションやアパートなどの集合住宅では、個人的に使用できる部分と共同で使わなければいけない部分とがあります。このうち、借主が個人的に使ってもいいスペースを「専有面積」と言います。そもそも、分譲マンションなどの区分所有建物の専有面積は、2通りの計算の仕方が用いられています。
ひとつは「壁心面積」といって、部屋を真上から見たとき、壁の厚みの半分のところから内側を面積とする方法。もうひとつは、「内法面積」といい、壁の内側の実際に使用できる部分だけを面積とするもの。ですから、壁心面積では壁の厚みも含まれているため、実際に居住できる空間より少し広く表示されていることになり、内法面積のほうが居住空間そのままの広さを表しているのです。
区分所有建物では、建築基準法が「壁心面積」によるのに対し、不動産登記法では「内法面積」となっており、分譲マンションなどの分譲広告では原則的には「壁心」で表記することになっています。が、中古マンションについては「内法」で表記することができます。ただし、内法面積で表記するときには、その旨を表記(登記面積であること)しなければなりません。
では、賃貸ではどうかというと、分譲タイプの賃貸マンションについては、上記のように基本的には「壁心」、中古に関しては「内法」も可、という表記がされています。
でも、それ以外の賃貸用マンションやアパートなどは壁心なのか内法なのか、厳密には分からないものが多いのですが、どうやら内法面積で表記されているものが多いようです。
ちなみに、「壁心」で表記されている場合には、実際に使用できるスペースは表記より少し狭くなることに注意。
個人的に使用できる部分はすべて含まれる
収納やトイレは、専有面積に含まれます。これらは通常の生活で個人的に使用する部分。ですから、居室空間ではないけれど、もちろん専有面積に含まれます。また、玄関やお風呂なども含まれます。一方で、バルコニーは含まれません。部屋に面しているバルコニーを使用するのは、その部屋の居住者ですが、マンションやアパートではバルコニーが避難経路として使われるため、個人使用できても専有面積には含まれません。つまり、バルコニーは共用部分なのです。
よく、バルコニーに物をたくさん置いている部屋を見かけますが、あれはダメ。共用部分ですから、占領してしまわないようにしましょう。
ロフトは専有面積に含まれないお得なスペース
ロフトとは、天井を高くすることで屋根裏にできる空間を有効に活用し、物置などのスペースとして確保された場所のこと。ロフト付きは、居住空間が広がるため賃貸でも人気の間取りではありますが、ロフトにはあくまでも天井高や採光、広さなどに建築基準法上の一定の条件が設けられており、条件をクリアしていれば床面積には含まれません。建築基準法上、居室とは認められないけれど、十分に有効活用できるスペースが確保できることは、大いにメリットがあります。
ですから、分譲マンションの広告では、「生活専有面積○平米、バルコニー○平米、ロフト○平米、合計○平米」といったように、専有面積とは別に表記されています。
以上のことから、最初に登場した問題の4)のロフトは含まれていません。建築基準法の規定を達しているロフトの場合には、居室には含まれないため「ワンルーム+ロフト、30平米」と書いてあったら、ワンルームが30平米あり、別途ロフトスペースがあるということになります。ロフトはとてもお得なスペースだったのです。
ただし、中には不動産表記を間違えて、ロフトスペースも含めて専有面積が表記してあることもありますので、念のため確認してみましょう。
専有面積にはどの部分が含まれるのかを知っておくと、現地見学に行ったときにギャップをあまり感じないかもしれません。覚えておいてソンはないですよ!
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