「無印良品」、「イケア」、「東急ハンズ」、「journal standard Furniture」…。これらのブランド、実はすべてUR都市機構とタッグを組んだブランドです。特定の団地では、こうしたブランドが部屋やモデルルームのデザインを提案しているのです。

高度成長期に誕生した団地が、リノベーションによって再生した事例(観月橋団地、たまむすびテラス)を、筆者の記事「『団地からDANCHIへ』イメージ一新の団地も登場」で紹介しましたが、ここでは、人気ブランドとタッグを組み、古くて画一的という印象の強かった団地が、新しく個性的に変身した事例などを紹介します。

MUJI×UR団地リノベーションで、新しい居住空間を提案

UR都市機構と無印良品の住空間事業部門を担う(株)MUJI_HOUSE(立ち上げ当時はムジ・ネット(株))が2012年6月に立ち上げたのが「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」です。大阪で昭和40年代~50年代に建設された、リバーサイドしろきた団地、泉北茶山台二丁団地、新千里西町団地の3団地で、5戸の部屋が無印良品の設計によってリノベーションされ、2013年1月にお披露目となりました。
MUJI×URundefined(リバーサイドしろきた団地)

「MUJI×UR (リバーサイドしろきた団地)」木製の柱や鴨居を活かしたうえで、開放的な新しい空間をデザインしている。

MUJI×URundefined(リバーサイドしろきた団地)

「MUJI×UR (リバーサイドしろきた団地)」 ユニットシェルフを壁面収納にしたり、間仕切りにしたりして、開放感とほどよい個別空間をデザインした。

リバーサイドしろきた団地の事例を見ていきましょう。昭和50年代に建てられた、団地としては比較的新しい高層(一部にエレベーターあり)の住宅ですが、それでも築後30年以上が経過しています。

古い住宅の部屋をリノベーションする場合は、一般的には内装や設備などを取り外して、新しいものに交換することになりますが、「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」では、温かみのある味わいなどにも考慮して、柱や鴨居(かもい)などの空間を構成する部材、ドアの把手、押入れ空間などはそのまま残されて使われています。一方で、床材・建具・キッチンなどは、麻畳や半透明ふすまといった素材のものや組み合わせて使えるキッチンなどの新しいアイディア満載のものに交換されています。

さらに、室内空間をオープンにして、吊り天井や開け放した収納空間などを設けることで、住まい手は暮らしに合わせて家具や収納ツールなどでアレンジできるようになります。実際に無印良品の商品を上手にレイアウトしてモデル展示することで、デザインの調和の事例となるだけでなく、新しい暮らし方の提案にもなっています。
MUJI×URundefined(高島平団地)

「MUJI×UR (高島平団地)」 縦一列にならぶ寝室、書斎、LDKは、間仕切りによってそれぞれをつなげたり、分けたりできるようにしている。

「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」は、これまで団地に関心を持たなかった若い層の注目を集め、現在では首都圏、中部、関西の14団地で約200戸のMUJI×URの部屋が設けられています。

「イケアとURに住もう。」で、気軽に変化を楽しむ暮らしを提案

UR都市機構は無印良品だけでなく、北欧生まれのホームファ二ッシングカンパニーのイケアと取り組んだ「イケアとURに住もう。」も展開しています。

2013年2月には、神奈川県の4団地(昭和40年代の左近山団地や昭和50年代~60年代の霧が丘グリーンタウンなど)の13戸の部屋で、通常のUR都市機構による改修に加え、イケアのキッチンや床、壁紙のカラーコーディネートを採用したものを用意しました。モデルルームはもちろん、イケアが家具等をコーディネートしています。
イケアとURに住もう。(左近山団地)

「イケアとURに住もう。(左近山団地)」 イケアが、新婚夫婦が住むことを想定し、白を基調とした開放的な空間に、和室にベッドなどの家具コーディネートを提案。

イケアとURに住もう。(霧が丘グリーンタウン)

「イケアとURに住もう。(霧が丘グリーンタウン)」 こちらは、子どものいる家族を想定し、赤いキッチンやポップな子ども部屋などの家具コーディネートを提案。

想定した若い世帯の入居も多く、「イケアとURに住もう。」は、現在、首都圏や中部、九州の12団地約70戸で展開しています。さらに一部の団地では、イケアによる一室のホームファニッシングサービス(インテリアコーディネート)が利用できるようになっています。

>>次からは、東急ハンズなどとのコラボレーションやDIY住宅などの事例について紹介します。