築38年の倉庫をリノベーションして暮らすFさん家族。こちらはクールな印象のダイニングルーム。
今回ご紹介するのは、「倉庫にだって住める!」という奇抜な発想から始まった、都心居住の新しいスタイル。オーナーのFさんは、奥様とお母様との3人暮らし。東京都台東区の商業地にある築38年の倉庫を購入し、住宅にリノベーションをして暮らしています。住まいの常識を完全に超えた大改革とも言える行為。“倉庫に住む”なんて映画みたいでカッコいい!と思った方、倉庫に住むって、実はものすごく大変なんですよ。Fさんはそんな難関を突破して、理想のライフスタイルを手に入れました。

そもそも倉庫になんて住めるの?

左:元は帽子屋の材料倉庫。面影を残す外観。 右:キッチンから眺める、白で統一した大きな空間。
リノベーション工事において、物質的にできない事はほとんどありません。どんな物件であれ、例えば水回りの移動もロフトを作ることもできます。実際に多くの人が家作りにおいて縛りを受けるのは、“資金調達”と“法律”なのです。Fさんが、倉庫を住宅にリノベーションをするのに、乗り超えなければならなかった難関というのも、この2点でした。

住宅ローンを利用するには、建物が住宅として登記されていなければいけません。ですから、この倉庫物件を購入するためには、まず登記を住宅に変更しなければなりませんでした。更にその後もFさんは複数の金融機関から「築年数の古い倉庫に住むなんてありえない」と言われ続け、なかなか融資を受けることができませんでした。

障害を越えられた要因は?

木毛セメント板の天井と鉄骨がハードな印象に。
いくつもの金融機関から融資を断られたFさん。もしそんな状況に陥れば、倉庫に住むこと自体を諦めてしまいそうなものです。しかしFさん、実は銀行員だった上に、リノベーションで実績のある設計事務所と仕事上の付き合いがあったため、融資の段階から協力を依頼。銀行への地道なプレゼンテーションの結果、最終的に住宅ローンを利用することができました。金融のプロと、リノベーションのプロの団結は恵まれた出会いであるとも言えますが、成功した最大の要因はなんといってもFさんの粘り強さとガッツ。何度も断られながらも、多くの金融機関を渡り歩く気力と体力は相当なものだったでしょう。


次のページでは、Fさん家族が倉庫に住むに至った経緯と、完成したお部屋をご紹介します。