経費老人ホームはA型・B型・ケアハウス(C型)の3種類
一括りに「ケアハウス」と呼ばれることの多い軽費老人ホーム。正式には3種類あります。
軽費老人ホームは社会福祉法に定められた福祉施設の1つで、「A型」「B型」「ケアハウス(C型)」という3つに分けることができます。
A型、B型は、60歳以上で家庭の事情で家族との同居が困難な人、身寄りのない人が自治体の助成を受けて、少ない負担で入居できる施設。A型は給食サービスや日常生活に必要なサービスを受けられるのが特徴で、月収34万円までという所得制限があります。B型は自炊を基本としており、日常生活のサービスは必要最低限となっています。
ケアハウスと呼ばれことが多い「C型」は、60歳以上で自炊ができない程度の身体機能の低下がある人や、独立して暮らすには不安がある人を対象とした施設で、A型と同様に給食サービスや日常生活に必要なサービスを受けることができます。
A型、B型、ケアハウス(C型)のいずれも、介護保険のうえでは在宅扱いとなっており、介護が必要になった場合は訪問介護などの在宅サービスを利用することになります。ただ、「身のまわりのことが自分でできる」というのが入所条件のため、要介護度が高くなった場合には退去しなければいけません。
ただ最近は、ケアハウスでも「介護型」と呼ばれる特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設も増えており、こうした施設では重度の要介護状態になっても住み続けることが可能です。なお、介護型に入所するためには、要介護1以上の認定を受けていることが条件となります。
サービス内容は施設によって個性が大きく、レクリエーションや行事など、集団としての活動に積極的なところもあれば、一種の「部屋貸し」のように放任主義のところもあります。入所を考える際には、本人の性格に合ったところを選ぶようにしましょう。
2008年10月、厚生労働省が発表した「社会福祉施設等調査結果の概況」によると、軽費老人ホームの数は、A型が約200、B型が約30、ケアハウスが約1,800となっています。
医療的ケアは、あくまで必要最低限
軽費老人ホームでは、医療面のサービスは必要最低限の提供となります。
そのため、痰の吸引や水分や栄養をチューブで胃に入れる胃ろう、じょくそう(床ずれ)、鼻などから流動食を投与する経管栄養、尿管カテーテル、酸素吸入といった医療措置が必要な人は、入所を断られる場合もあります。入所中に状態が変わって医療措置が必要となった場合も、状況によっては退去を命じられることもあります。
さらに、病気などで医療機関への入院が長期におよんだ場合も、退去する必要があります。
軽費老人ホームでは個室で暮らすことになる
居室については、A型、B型はすべて個室、ケアハウスも大半は個室で、夫婦のための2人部屋が少しある程度。1カ月あたりの費用は、次の通りです。
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A型……6~17万円程度(食事代込み、入所者の経済状況よって異なる)
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B型……3~4万円程度(食事代を含む生活費はすべて実費)
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ケアハウス(C型)……6~17万円程度(食事代込み、入所者の経済状況よって異なる)
ケアハウスの場合、入居一時金として50~400万円程度が必要となる場合もあります。
軽費老人ホームの対象者・費用・申込先
■対象者
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A型……60歳以上の単身者、または夫婦のいずれかが60歳以上。家庭の事情で家族との同居が困難な人、身寄りのない人で、身のまわりのことが自分でできる人。月収34万円まで
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B型……60歳以上の単身者、または夫婦のいずれかが60歳以上。家庭の事情で家族との同居が困難な人、身寄りのない人で、身のまわりのことや自炊ができる人
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ケアハウス(一般型)……60歳以上の単身者、または夫婦のいずれかが60歳以上。自炊ができない程度の身体機能の低下や、独立して暮らすには不安があり、身のまわりのことが自分でできる人
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ケアハウス(介護型)……要介護1以上
■必要な費用
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A型……事務費(人件費、管理費など)、生活費(食費、光熱費)、その他雑費。また、介護保険在宅サービスを利用した場合、そのサービス費の1割が別途必要
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B型……管理費、その他雑費。また、介護保険在宅サービスを利用した場合、そのサービス費の1割が別途必要
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ケアハウス(一般型)……居住費、事務費(人件費など)、生活費(食費、光熱費)、その他雑費。また、介護保険在宅サービスを利用した場合、そのサービス費の1割が別途必要
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ケアハウス(介護型)……特定施設入居者生活介護サービス費の1割、居住費、事務費(人件費など)、生活費(食費、光熱費)、その他雑費
■情報入手&申込先
どんな施設があるかについては、地域包括支援センターまたは市区町村の福祉担当窓口、インターネット検索などで。申し込みは直接施設へ。