食事療法に困ったら管理栄養士に相談しましょう!
慢性腎臓病の食事療法として、低たんぱく質食が広く浸透しています。以前はかなり厳しいたんぱく質制限が行われていましたが、最近では、たんぱく質は少なすぎても悪影響を及ぼすことが明らかになり、以前と比較すると制限が緩和されました。

しかし、最近では、たんぱく質の制限が本当に病気の進行を遅らせるのかどうか賛否両論です。腎臓病の権威である医師、Joel D Koppleは、「医療従事者が低たんぱく質食を勧める際は、腎臓病の進行を遅らせる効果があるかは分からない、という点を患者に伝えるべきである」と述べています。


低たんぱく質食の効果は分かってるの?

低たんぱく質食が腎臓病の進行を遅らせるということは、人間実験ではなく、動物実験を元にして仮説が立てられていました。これまでに一番大規模で質が高い研究だと言われる、Modification of Diet in Renal Disease (MDRD)においても、低たんぱく食が透析を遅らせるかどうかを証明することができませんでした。


動物性たんぱく質のほうがいい?!

一般的に良質のたんぱく質は、動物性食品だと考えられ、動物性のたんぱく質が推奨されることが多いようですが、これも議論を呼んでいるようです。植物性のたんぱく質は腎臓病の進行を遅らせるという研究も出てきています。そのメカニズムは、はっきりしていないようですが、仮説としては動物性と植物性たんぱく質の脂質の違いによる影響だとも言われています。また、動物性でも植物性でも、腎臓病の進行に違いは無かったという人間実験の報告もあれば、牛肉より大豆製品の方が腎臓を傷つけないといった報告もあります。


たんぱく質は何から摂るのがいい?

アメリカの腎臓財団のCKD診療ガイドラインでは、質の高いたんぱく質(high biological value)として、脂身の少ない鶏肉、魚、大豆製品、植物性のたんぱく質をあげ、これらの食品から50パーセント以上のたんぱく質を摂ることを勧めています。


たんぱく質の量はどうすればいいの?

残念ながら、明確な答えはなく、個人に合った対応が必要になります。たんぱく質を減らせば、その分、炭水化物や脂質からのカロリー摂取が必要になります。しかし、血糖値やコレステロールなどのコントロールも大切ですので、全体的な健康管理を意識する必要があります。


腎臓病の進行を防ぐために何ができる?

たんぱく質の量や種類については分からない部分もありますが、その一方で、適切な服薬は、腎臓病の管理に大きなインパクトを与えることが分かっています。また、食事による血圧や血糖値の管理も腎臓病の管理に有効だと言われています。たんぱく質だけにとらわれない、全体的な栄養管理が重要だと考えられます。主治医と相談して、個人にあったプランが大切です。
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