たんぱく質って本当に制限が必要なの…?
今回は、肝硬変の合併症の1つである肝性脳症が見られる場合の食事療法について説明します。


肝性脳症の場合

肝性脳症になると、程度が軽いものでは、イライラ、怒りっぽい、軽い困惑などの症状が見られます。重くなると、起きている時は常に攻撃的であったり、昏睡に陥ったり、命に関わるケースも出てきます。肝性脳症の原因は、はっきりしていない部分もありますが、アンモニア、アミノ酸の濃度が正常でないことなどが関連していると考えられています。

肝性脳症は、感染、アルコール、薬、腸内の出血、便秘、水分と電解質のバランス異常などによって引き起こされるケースが多いといわれています。食事からのたんぱく質が、直接的に肝性脳症を引き起こす原因になることは少ないといわれていますが、5パーセント程度は動物性タンパク質との関連性も示唆されています。このケースのように、たんぱく質に不耐が見られる人では、分岐鎖アミノ酸(BCAA)が特に有効だと考えられています。分岐鎖アミノ酸とは、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸の総称です。必須アミノ酸は、体内で作ることができないので食事から摂取する必要があります。

肝性脳症になると、高アンモニアの原因となる、たんぱく質の摂取が厳しく制限されることがあります。しかし、肝硬変になると低栄養状態が見られることが多く、低たんぱく質の栄養供給が続くと、低栄養な状態が更に悪化してしまいます。栄養状態が悪くなると、感染などに弱くなるので、むやみに低たんぱく質の食事を続けないないもの大切です。欧米では、明らかな肝性脳症(せん妄・意識もうろう・意識が無いなど)以外は、たんぱく質を制限しないのが一般的です。たんぱく質の量の決定は容易ではなく、医師や臨床栄養士によって方針が異なったり、個人の栄養状態、アンモニアを改善する薬などの使用、アンモニアの高さ、意識障害、他の合併症などの程度によっても異なります。


肝性脳症の食事療法

全ての人に当てはまる食事療法はありませんが、共通して注意したい点はいくつかあります。以下の内容を参考にしてみて下さい。

■適切な食事療法を
「肝硬変だから」、「肝性脳症になったことがあるから」などと言う理由で、むやみにたんぱく質を制限しないようにしましょう。その時、その症状にあった食事療法が適切です。基本的にはたんぱく質を制限しないのが主流です。

■たんぱく質制限にはネガティブな点もある
たんぱく質を制限すれば、栄養状態が低下し、感染などのリスクが上がったり、浮腫との関連性などが否めないことも認識しておきましょう。

■たんぱく質の種類に気をつける
牛肉や豚肉などの動物性たんぱく質を過剰摂取せず、豆類などに含まれる植物性のたんぱく質を上手く食事に取り込むことも大切です。可能ならば、何が肝性脳症を引き起こす原因になっているかを知ることも大切です。もし、食事からのたんぱく質が引き金になっている場合は、たんぱく質のタイプに特に注意する必要があるでしょう。

■何でも摂りすぎはよくありません
分岐鎖アミノ酸(BCAA)だからといって、個人判断で過剰使用をしないようにしましょう。体によいと聞くと、ついつい過剰摂取してしまう人は案外多いものです。

■肝性脳症の原因は少しでも予防
肝性脳症の引き金になる可能性のある便秘を予防するようにしましょう。
便秘予防についは「便秘を治す!絶対知っておきたいこと」を参考にして下さい。

■信頼できる専門家に相談する
何よりも自己判断で食事を制限せず、医師や管理栄養士のアドバイスを受けるようにしましょう。合併症などのさまざまな症状を考慮する必要があり、全ての人に同じ食事療法が当てはまらない点を認識しておきましょう。




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