中国古代の哲学から発展した中医学が漢方のモトですが、そのベースの一つに「陰陽五行説」があります。陰陽ってなに? 五行って? などのギモンをひも解くと、より漢方の奥深さや面白さが感じられますよ。

陰陽ってなに?

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太極図の黒は陰で、白は陽。四季や1日でも表わす事ができ、絶えず動き、変化している
昔、中国では山の南側を陽とし、北側を陰とする習慣があったそうですが、このようにお互いが関連しあって対立する、2つの現象や物事を統括してそうあらわします。

たとえば、天と地、昼と夜、男と女もそうですが、明るいと暗い、動と静、興奮と抑制なども陰と陽に分類できます。ルールとしては、上昇的・外向き・亢進的・温熱的・興奮的なものは陽になり、下降的、内向き、衰退的、寒涼的、抑制的なものは陰に属します。

しかし陰陽は一定ではありません。昼を細分化すると午前を陽中の陽、午後を陽中の陰ということができ、不変ではなく相対的であることがわかります。

わたしたちのカラダは「陰平陽密」(いんぺいようひ)、つまり陰も陽も平らで、バランスをとれた状態が好ましく、このバランスが崩れたときに病気になると漢方ではいいます。体内の陽が陰より増えれば熱がでますし、陽が陰より少なければ寒さを覚えます。

これらのように、病気の診断基準にもなる陰陽ですが、もちろんすべてを陰陽で説明できるわけではありません。ということで、次に五行説にまいりましょう。

五行ってなに?

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赤が親子関係で、青が抑制する関係
陰陽は相対する2つをいいましたが、五行は5つ。つまり万物を5つに分類したもので、木・火・土・金・水(もく・か・ど・ごん・すい)がベースとなります。

木は曲直
木は自由に伸びていくように、成長、上に昇る、すくすく伸びるという特長がある。五臓でいうと肝、季節は春。

火は炎上
火は炎と上の性質、つまり温熱性で、上昇する特長をもつ。五臓でいうと心で、季節は夏。

土は稼穡(かしょく=種を実らせ、収穫する) 
土は種をまいて農作物を収穫することを意味するので、「万物の母」とも。五臓では脾(消化器系の総称)で、季節は梅雨。

金は従革(じゅうかく=変革) 
金は清潔や静粛を意味し、これらの作用を持つものを金とする。五臓では肺をさし、季節は秋。

水は潤下
水は潤したり、下降する性質があるので。寒冷性があり、五臓では腎にあたり、季節は冬。

このように、五行はそれぞれの特徴を持ち、季節や臓器以外にも、方位や気候、感情や味などにも5つに分類することができます。なお、これらはグループごとの調和だけでなく、五行間のバランスを取ることがよしとされ、中医学の分野では、実際に臨床でも五行同士の相互関係などをみて、治療方針を立てたりしています。

人のカラダは複雑ですが、弱っている一部分だけをクローズアップするのではなく、陰陽や五行を当てはめながら、カラダの機能や変化を説明すると、いままで解決できなかった病気のメカニズムや気がかりだった問題が、スルリと解決できることがあります。

古代哲学は完璧なものではありませんが、これらをもとにした中医学が注目されているのは、科学だけでは解明できない病気や不調が多い現代社会のニーズに合っているからだと、改めて実感できませんか。
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