一昔前に流行した「老人力」は、加齢による衰えを肯定的に捉えるために作家の赤瀬川原平さんが提唱し、1998年の流行語大賞にも選ばれた言葉です。腰痛や高血圧、頻尿、難聴など、歳を重ねれば誰でも身体の不調の1つや2つは抱えているもの。その延長線上にはED(勃起障害・勃起不全)もあります。

ところが、腰痛や高血圧の緩和に熱心でも、ED治療には尻込みする男性が少なくないようです。EDは高齢であっても改善の可能性が高い病気です。仕方ないと放っておくのではなく、積極的に治療を試みてみませんか。

EDは高齢者でも薬で治癒できる病気に


情報は豊富なのに、二の足を踏む悩める高齢者
このところ、ガイドのクリニックを訪れる60~70代の高齢者から「勃起時の硬さが足りない」「最初から勃起しない」「しばらく使っていないので自信がない」といった悩みが多く寄せられるようになっています。

これは、緊張で失敗する率が高いという20代や中折れの相談が多い30~50代とはいささか異なる悩みです。つまり、中折れ以前の段階が問題となっているのです。

「性的欲求は年とともに衰えるのが当たり前。だから勃起機能が低下するのは自然の成り行き」という考え方がマスコミや口コミを通じて広められてきたことも、高齢者に「EDになっても仕方ない」という諦めムードを抱かせてきた要因になっているようです。

ところが、医学の進歩に伴って、これまで「年のせい」で片付けられてきたEDは近年「高齢でも薬で改善できる病気」になってきました。腰痛や高血圧が薬で治療できるのと同じです。こうした変化には、高齢者の性生活が老後の「生活の質」を高める手段として重要視されるようになってきた、という社会的背景も深く関わっているようです。

ネット普及で増えてきた高齢者の相談


先日も、このサイトを見たという70歳を超える男性から「若い頃に比べて性欲は減退、勃起も不完全、持続もままならない。年齢的に仕方ないかとも思うが、自然に任せるべきか。近くの病院に行きたいが、年甲斐もない相談だと思われないかという気恥ずかしさや女性看護師の目が気になり、二の足を踏む」という内容の相談メールを受け取りました。

このメールからは昨今のED治療を取り巻く2つの状況を読み取ることができます。第1に、70歳を過ぎてもインターネットを駆使して、情報収集するという傾向が高まっているという現実です。ネットを活用して情報を収集し、EDに対処しようという前向きな高齢者は今後も増えてくるのではないでしょうか。

第2に、EDを年のせいとして甘んじて受け入れるべきかどうかを悩んでいたり、いざ行動に移したくても年齢が気になって次の一歩を踏み出せずに当惑していたりする高齢者が数多く存在するということです。