急性腰痛症「ぎっくり腰」とは
ふと腰をかがめた時、張り切って子供を持ち上げた時など、ぎっくり腰の発症原因はさまざまです
では、なぜ何の前触れもなく突然ぎっくり腰になってしまうのでしょうか? ぎっくり腰の原因や症状、治療法について詳しく解説します。
ぎっくり腰の原因……明確なきっかけがない場合も
ぎっくり腰は、突然腰を襲う激しい痛みです。朝の洗顔で腰をかがめた時や重い物を持ち上げようとした時など、ぎっくり腰になる瞬間がはっきりしている人もいますが、中にはきっかけがよくわからないという人もいます。例えば、目覚めたら腰がものすごく痛み起き上がるのも困難……という場合、「昨日、引っ越しの手伝いをして箱をいくつか移動させたから?」「久しぶりに長距離を歩いたせい?」と自分の生活を思い返して、原因を探ってみる方がほとんどでしょう。しかし、ぎっくり腰は姿勢や腰への注意力が低下している状況下で、ふとした動作やくしゃみなど、腰に激痛が走るきっかけからギクっと痛めてしまうケースも多いのが現状。このような場合、腰を支える筋肉の働きがそもそも低下したことが考えられます。
腰部を支える筋肉や関節、椎間板などを痛め、ほとんど身体を動かすことができないほどのぎっくり腰を経験する人も少なくありません。
ぎっくり腰の主症状は動作に伴う痛み…寝返りや歩行など日常生活への支障も
簡単な日常動作すら痛みのためにできず、腰の大切さを痛感した、という声も上がっています
- 動作の瞬間に腰に激痛が走り、動くことが困難になってしまう(ちょっとの動きでも表情が歪んでしまうほど痛むことも)
- 最初は違和感程度で、さほど気にならなかったのに、時間の経過と共に腰痛となり悪化していく
- 上半身を起こすことができない。一度布団に横になると起き上がるまでに時間がかかってしまう
- おじぎをすることも体を反らすこともできず、ぎくしゃくした動作になってしまう
- 歩行が困難
- くしゃみや咳で痛みが強まる(一回のくしゃみで悪化してしまうケースも)
- 寝返りが痛くて、寝る姿勢を変えることが困難
- 骨盤に近い部分やウエストライン辺りの腰部が痛む
- 起き上がった状態よりも、横になって膝を曲げているほうが楽
ぎっくり腰の治療・対処法……温めるべきか、冷やすべきか
腰痛用のベルト・サポーターを着けることで痛みが和らぎ動くことができるケースもあります
ぎっくり腰になってしまったら、2日間くらいはなるべく安静にして過ごします。寝る姿勢は横向きで膝の間に枕をはさんだり、仰向けで膝を立てたりといった自分の楽な体勢を見つけましょう。どうしても動かなくてはならない場合は、腰痛ベルトやさらしを巻いて、腰部を安定させると楽になる場合があります。
2日間くらい安静に過ごした後、無理のない範囲で日常生活動作から初めて行きましょう。少し動くことができるようになったら、急性腰痛症を扱っている鍼灸やカイロプラクティックなどの代替医療を受診すると回復が早まる可能性があります。その後は、日常生活にストレッチや体操などを取り入れて、筋肉のコンディションを保ちましょう。
医療機関を受診すべきケース・ぎっくり腰と似た他の病気も
「急性腰痛症」の代表的な呼び名であるぎっくり腰ですが、急な腰痛を起こす原因の中には、ぎっくり腰の他にも内臓の病気や脊椎の病気などあります。腰をギクっと痛めた際に下肢にも痛みやしびれなどの症状が出た場合や痛みの和らぐ姿勢が見つからずじっとしていても痛みを感じているといった場合、また、発熱や発汗、いわゆる冷汗などがある時には、早めに整形外科やかかりつけ医を受診しましょう。ぎっくり腰ではない、何らかの病変に関連した腰痛の可能性もあります。筋・骨格系に関わる痛みであれば、2~3日もすると自然と症状が和らぎ、動くことが出来るようになります。ただし、無理をしなかった場合です。