ぎっくり腰予防の基本……腰への配慮とストレス緩和
ぎっくり腰予防は、ちょっとした日常動作に気を遣うのが第一
いつも腰を意識するのは大変ですが、仕事の休憩時間や家事の空き時間に腰の負担を軽減させる工夫を取り入れていきましょう。簡単で効果的なぎっくり腰の予防法をご紹介します。
前かがみ・同じ姿勢はNG! 普段の姿勢から見直しを
■前かがみ姿勢に注意するデスクワークも含め、仕事中は前かがみ(うつむき姿勢)になることが多いもの。骨盤が前傾した状態で骨盤・腰周辺の筋肉が硬くなると、姿勢の乱れにつながり、筋疲労を起こしやすくなります。前かがみ姿勢にならないよう注意すると同時に、ストレッチを取り入れましょう。
■同じ姿勢はなるべく避ける
座りっぱなし、立ちっぱなしの姿勢が多い人は、腰を支える筋肉の血流が滞りやすいもの。できれば1時間ごとに少し歩いたり、軽いストレッチや体操で腰を動かしたりと、腰の筋肉に刺激を入れるようにしましょう。
小さな工夫で大きな予防効果! 家事別おすすめ姿勢
キッチンに立つ、床を拭く、庭の草むしりをするなど、家事でも腰に負担がかかります。■立ち仕事をするとき
立ち姿勢のときは約15cmの台を用意し、片足を交互に乗せて膝と股関節を軽く曲げる姿勢にするのがおすすめ。腰の負担を軽減させることができます。洗顔の時も同じ方法が使えます。
■中腰やかがみ姿勢で作業をするとき
床掃除や草むしりなどで体を低くする姿勢になる場合は、床に膝をつけて作業をするのがポイント。腰の関節や筋肉への負担を軽減することができます。
軽い荷物でぎっくり腰になることも……正しい物の持ち上げ方
ぎっくり腰のきっかけで多いもののひとつが、物を持ち上げる動作。重量の軽いものでもぎっくり腰になることがあります。例えばテーブルの上にある物を持ち上げる時は、離れた場所から手や体を伸ばすのではなく、テーブルに近づいて体の中央に荷物を引きつけて抱えるようにして持ちましょう。床などの低い位置にある荷物は、床に片膝をつけてしゃがんで持ってから、ゆっくり立ち上がるようにしましょう。
1日の終わりには「リラックスタイム」を
日中の活動で活発化した神経の興奮を鎮ることも大切。1日の終わりはリラックスタイムをつくることができればベストです。横になって音楽や香りに包まれ、全身の力を抜ける時間と空間を作りましょう。疲労が重なることで腰の筋肉がこわばり、凝りが回復しにくくなります。精神的な緊張も腰部の安定性に悪影響なので、休日は好きなことに没頭して気分の良い時間を過ごすのが正解です。
寝たままできる! ぎっくり腰予防ストレッチ
腰の筋肉が疲れたまま眠ってしまうと、起床時やその直後にぎっくり腰を起こすリスクが高まります。1日の筋肉疲労を緩和させるためには寝る前のストレッチが有効。入浴後や就寝前のストレッチを習慣にするのが効果的です。右膝を立て、左膝を抱えます
1. 仰向けで横になります。布団やマットの上で行う場合、腰が沈み込み過ぎないものを選びましょう。
仰向けになった状態で右膝を立てます。そしてゆっくりと左膝を抱えていきます。
引き寄せた左膝をさらに深く胸に近づけていきます
2. 抱えた左膝をゆっくりと胸の方へ引き寄せ、なるべく膝が胸につくようにします。このまま5秒間キープ。
次に左膝を立てて、右膝を抱えます
3. ゆっくり左膝を伸ばした後、次は左膝を立ててみましょう。
先ほどとは反対に、右膝をゆっくりと抱えていきます。
さらに右膝を胸に近づけるように引き寄せます
4. 抱えた右膝をゆっくりと胸の方へ引き寄せ、 なるべく膝が胸につくようにします。5秒間キープ。
両膝を軽く抱えて、丸くなってみましょう
5. 最後に両膝を抱えて、丸くなります。腰が痛む場合は、無理をしないようにして下さい。
この抱え込む動作も、腰部に注意を払いながらゆっくりと行います。
両膝をさらに胸へ近付け、腰部をストレッチします
6. ゆっくりと抱え込み、さらに両膝を胸へ近づけるようにして、腰から骨盤にかけて軽くストレッチをします。5秒間キープ。
1~6を数回繰り返しても良いですが、時間の無い時は1回通しましょう。起き上がるときも、腰に注意しながらゆっくりと。
ぎっくり腰の予防アイテム「コルセット」
腰痛用のベルト・コルセットは常備しておくと安心です
仕事や家事でどうしても腰に負担をかける作業がある場合は、あらかじめ腰痛用のベルト・コルセットを装着しておくのが効果的。腰部への負担を軽減することができます。
ベルトやコルセットはドラッグストア、スポーツ用品店、健康グッズを扱う雑貨店で購入でき、店により取り扱いメーカーは異なります。価格帯も2千円台から1万円台と様々です。その他、「ケンコーコム」などの多くのインターネットサイトでも取り扱いがあります。