子宮に発生するがんは2つ。特に子宮頸がんは若い女性に多い(写真提供:グラクソスミスクライン)
残念ながら日本ではまだ自費ですが、まずは子宮頸がんとワクチン予防の有効性について知っておきましょう。
子宮頸がんの症状
女性の子宮の入口に発生する子宮頸がん。2008年人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部編)によると、日本では年間約15,000人が子宮頸がんと診断され、約3,500人が死亡しています。特徴的な初期症状がないため、早期発見には子宮頸がん検診が欠かせません。少し進行すると、不正出血やおりもの異常(帯下異常)を始め、下腹部痛や発熱などの症状が現れます。進行がんになり子宮の前にある膀胱に進行すると、頻尿、血尿が起き、子宮の後ろの直腸に進行すると、血便などの症状が出てきます。
子宮頸がんの組織の99.7%から、「ヒトパピローマウイルス」(HPV)が検出されるため、子宮頸がん発生にはHPVの感染が深く関係していると考えられてきました。つまり、このウイルス感染を予防することが、子宮頸がんの予防としても極めて有効ではないかということです。さらに詳しい情報は、「子宮頸がんとは」を併せてご覧ください。
次ページでHPVの特徴とワクチン接種の注意点についてご説明します。