睡眠/眠気のコントロール法

「睡眠日誌」で良質な短時間睡眠を実現!

睡眠時間をもう少し削りたい! でも、日中に眠くなるのはイヤ! そんな贅沢なあなたに、布団の中で過ごす無駄な時間を削る「睡眠制限療法」をご紹介します。その高い効果は、医療機関でも実証済みです。

坪田 聡

執筆者:坪田 聡

医師 / 睡眠ガイド

目覚めスッキリ
必要十分な睡眠をとって、スッキリ目覚めませんか?
不眠症の治療として行なわれている、睡眠制限療法 をご紹介します。短い時間で質の良い睡眠を目指している人にも、参考になりますよ。








効果が実証されている「睡眠制限療法」

眠れない
睡眠制限療法は、科学的な短眠法と言えます
不眠症の治療の1つに、認知行動療法があります。軽症の人にはこれ単独で効果があり、頑固な不眠の場合でも、薬による治療と平行して行なわれています。

不眠を何とかしようと焦ってますます眠れなくなる「精神生理性不眠症」や、本当は十分に眠っているのによく眠れないと思い込む「睡眠状態誤認」には、認知行動療法の1つである 睡眠制限療法 が有効です。

睡眠は「時間×質」が重要で、特に深くて大切な良質の睡眠は、最初の3時間ほどに現れます。必要以上に長い時間眠っていると、浅い眠りばかりが増えて、睡眠の質は低下してしまいます。

ところが、不眠を訴える人の多くは、睡眠の質よりも睡眠時間に気がとられてしまいがちです。そのため、少しでも睡眠時間を稼ごうとして、よく眠れないのに寝床にしがみつこうとします。

寝床にいる時間、つまり寝床についてから寝床を出るまでの時間を、床上時間 と言います。この床上時間と、本当に必要な睡眠時間の差を縮めて、睡眠の効率を高めることが、睡眠制限療法の目的です。

この方法を習得すれば、睡眠時間は必要十分になるので、起きて活動する時間を最大限に確保できます。また、睡眠の効率が良くなることで睡眠の質も高まり、心身の状態も向上します。

では、具体的な方法を、6つのステップに分けてご紹介します。


必要な睡眠時間は、個性的であることを理解する

長眠者と短眠者
スッキリ目覚められたときが、あなたに最適の睡眠時間です
平成18年の社会生活基本調査によると、日本人全体の平均睡眠時間は7時間42分でした。しかしこれは、睡眠時間の平均値を示すものでしかなく、あなたの体と脳が必要としている睡眠時間を表してはいるわけではありません。

睡眠の長さとパターンは人それぞれで、とても個性的なものです。年齢や性別によって、平均的な睡眠時間も違ってきます。また、ロングスリーパーとショートスリーパー、夜型と朝型、安眠型と不眠型など、いくつかのタイプにも分けられています。

「8時間眠らないといけない」という、間違った思い込みにとらわれていると、あなたの貴重な時間を寝床の中で失ってしまいます。自分に必要かつ十分な睡眠時間を知り、その時間だけ深く眠ることが、健康で効率の良い人生につながることを理解しましょう。

では次に、睡眠の現状を知って、睡眠時間の目標を立てましょう。


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