出血した場合:清潔に洗ってから止血対策
滑って転んだり、何かにぶつかったりして出血した場合、まず傷口を確認し、出血している部分を流水などできれいに洗います。このときこすったりしないように気をつけましょう。その後、清潔なハンカチやタオル、ガーゼなどを使って出血している部分をしばらく手で押さえて圧迫します。また出来る範囲で患部を心臓の位置よりも高くあげておくと出血が止まりやすくなります。また次のような症状がみられる場合は、すみやかに病院で診察を受けるようにしましょう。- 出血が止まらない時
- 骨が皮膚から見えるほどのケガ
- 傷口が広範囲もしくは深い(縫合が必要なもの)
- ガラス片などを踏んで出血した
- 動物などに噛まれたキズ
また傷口は、そのまま自然に乾燥させていることが多かったようですが、最近では、乾かさずに密封することで対応する湿潤治療法という考え方もあります。薬局などで購入できるものに「バンドエイド」キズパワーパッド(ジョンソン・エンド・ジョンソン)があります。
鼻血が出た場合:詰め物をせずに軽く圧迫
鼻の上からティッシュなどで軽く圧迫して止血しましょう
鼻血が出たときは、ティッシュなどを鼻に詰めてしまいがちですが、鼻の中の粘膜などをより傷つけてしまうので詰め物はやめておきましょう。ティッシュやガーゼなどを鼻にあて、鼻の上部あたりを親指と人指し指で軽くつまんで押さえましょう。氷などがあれば鼻部を冷やすと早く止血することができます。
鼻の骨は比較的柔らかく折れやすいので、 鼻のラインが曲がっていたり、明らかに変形がみられる場合は早めに病院を受診するようにしましょう。
蜂刺されの場合:ショック症状がないかを確認し、冷却・薬
屋外で活動していると気をつけなければならないのが蜂などの虫刺され。特に蜂に刺されると、「アナフィラキシー」と呼ばれるアレルギー反応を起こすこともあるので、注意が必要です。蜂に刺されたときはまず局所に刺された針が残っていないかを確認。針が残っていたらピンセットなどで針を抜きます。その後、氷などで刺された箇所を冷やし、腫れや熱感、かゆさなどを軽減させます。落ち着いたところで抗ヒスタミン剤(かゆみ止め)を塗布し、必要に応じてステロイド剤(消炎鎮痛剤)なども塗布します。
蜂刺されからショック症状に陥ることはまれですが、万が一、顔面蒼白、冷や汗、立ちくらみ、全身の蕁麻疹などがみられた場合はアナフィラキシーショックの初期症状である可能性があるため、すぐに病院に行くようにしましょう。また以前に蜂に刺された経験があり、2度目以降の場合はアナフィラキシーショックを引き起こす可能性が高くなるので、できれば過去に刺された経験があるかも確認しておきましょう。
アンモニア水を使って蜂の毒を中和するという対処法は、現在では行われていません。蜂の毒はおもにたんぱく質であり中性に近く、アンモニアのアルカリ性はあまり効果がないばかりか、皮膚を傷める原因となるようです。
ぶつかった、ひねった場合:基本のRICE処置
痛みや腫れを抑えるためにまず始めに行いたいRICE処置
- 安静(Rest)……患部(ケガをしたところ)を動かさないようにある程度固定します。
- 氷冷(Icing)……患部を冷やします。内出血を抑え、痛みや腫れを軽減させることができます。方法としてはアイスパックや氷、水などを用いて患部を20分~30分ほど冷やします。最初は皮膚の感覚が冷たい感じ→ヒリヒリする感じ→しびれて感覚がなくなる感じ、と時間の経過と共に変化します。その後氷で冷やした時間の倍の時間(30分冷やしたのであれば、1時間)をかけて感覚を取り戻します。これを24時間~48時間繰り返すのが理想です。
- 圧迫(Compression)……患部を包帯やテープを使って軽く圧迫し、内出血を抑えます。圧迫しすぎると神経や太い血管まで締め付けてしまいますので、患部より先がしびれたり、色が変わったりしないように注意しましょう。
- 挙上(Elevation)・・・患部を心臓の位置よりも高く上げることで、血液の心臓への戻りを促し、腫れを防ぎます。患部の下に座布団やタオルなどをいれるとより楽に挙上することができます。
ケガをした後に適切なRICE処置を行うと、ケガをある程度悪化させないようにすることが出来ます。ただしこれはあくまでも応急処置ですので、その後は必ず病院を受診するようにしましょう。
暑さによる熱中症の場合:軽症なら水分補給と塩分補給
体を冷やすために団扇などで扇ぐことも効果的
- 熱疲労……汗を大量にかくことで水分不足・塩分不足になり、脱水症状として頭痛やめまい、吐き気や脱力感などを感じる。
- 熱けいれん……汗をかいた後に水分補給のみを行い、塩分が不足するとナトリウムなどが不足して筋肉がけいれんを起こす状態。
- 熱射病……体温調節のための中枢機能そのものが正常に働かなくなり、体温は40℃を超える状態。汗はみられず、意識もはっきりしないことが多いため、体を冷やす応急処置を行いながらすぐに救急車で病院へいくようにします。
軽い症状の場合は水分補給・塩分補給を行い、日陰などで休ませて様子をみます。症状が重い場合は、首の付け根、わきの下、太ももの付け根など大きな動脈があるところを中心に氷などで冷やし、すぐに病院を受診するようにしましょう。