心と体を癒すクッキングエステ(2ページ目)

食で心と体の調和をはかる

南　このクッキングサロンの「クッキングエステ」というコンセプトは、いろいろな人が入りやすいイメージですね。マクロビオティックは知らない人でも、キレイになりたいと、女性たちなら誰でも思いますから。

中　「キレイ」になるためには、見える部分を飾るだけではなく、体と心、そして自然と調和することが大切です。マクロビオティックの食事を通じてそのバランスをはかりキレイになるというが「クッキングエステ」の考え方で、このクッキングサロンで、一人でも多くの方に体感していただきたいと思っています。

中美恵著/中広行監修 講談社　1470円(税込み)

南　「キレイになるマクロビ教室　食べるエステ」も、好評のようですね。

中　おかげさまで初版本は1ヶ月間で完売し、その後も好調です。この本の良さは、企画に携わってくれた方々のおかけで、「教えたい」というスタンスではなく、「知りたい」というスタンスで書いたのが一番の魅力になっていると思います。

教える立場からすると、マクロビオティックの考え方の基礎となる「陰陽理論」などをまず説明したくなるのですが、この本ではまず「心とカラダは食とつながっている」ということを伝えて、健康、美容、メンタルに分けて「こんな時には、どうしたらよいか」という具体的な食べ方の提案をしています。

南　とても実践的な内容になってていますね。イラストも、とてもほのぼのしていて、レシピも簡単そうなので、私にもできそうと思えます。

中　いろいろな方に助けられてできたこの本は、本当にいとおしくて、毎日見てニコニコしてるんですよ。(笑)

マクロビオティックを楽しむ環境の充実

中美恵さんのイキイキとした笑顔と楽しいトークも、サロンパーティの魅力です。

南　実は20年ほど前にも、私はマクロビオティックの取材をしたことがあるのですが、特に5年位前から、マクロビオティックの料理をいただけるお店や書店に並ぶ本も増えてきましたよね。

中　マクロビオティックは、昭和初期に桜沢如一先生が東洋医学の陰陽五行説をもとに、食べ物で陰陽のバランスを整える食事法を確立されました。私が師事している久司道夫先生は、その理論をさらに進化させ、現代の食事や環境にあわせたマクロビオティックの考え方を、アメリカで広められました。

私の主人である中広行は、ボストンで久司道夫先生のマクロビオティックに出会い、当時自分が抱えていた悩みを、マクロビオティックを実践することで解決の糸口をつかみました。その感動を多くの人に伝えるために、玄米の巻きずしの店を通じてマクロビオティックを広げていくことを始めました。

2000年に久司道夫先生の「日本でも、私の料理を伝える教室をしてほしい」という言葉を受けて、KII（クシインスティチュートインターナショナル）公式の料理教室プログラムを、主人と私が日本で初めて作り上げ、そのプログラムが全国で使われるようになりました。今ではKII認定のクッキングインストラクターとして承認された方々がどんどん活躍の場を広げ、またKII認定レストランなどが増えてきているのです。
南　ここ数年でマクロビオティックを学んだり、楽しむ環境が充実してきたのですね。またちょうどメディアでデトックスやLOHASというテーマもよく取り上げられる時期と重なり、多くの人に関心を持っていただくきっかけになったのではないでしょうか。

中　そうですね。でもマクロビオティックは、一過性のブームで終わるようなものではありません。久司先生が追求されているのは、人類の平和です。私たちは、私たちを取り囲む全ての環境やものとの調和を考えた食事や生き方を目指しています。