今だけでなく将来のリスクも
無理なダイエットは、今の若い時期だけではなく、年を重ねたり、出産した子どもの将来にも影響します。例えば、閉経後の女性は骨密度が低下していき、高齢になると骨粗しょう症になりやすくなります。骨密度は、思春期に最も増加し、それ以降はほとんど増加しません。ですから若い間にしっかり骨密度を蓄えておくのが理想です。
カルシウムやマグネシウム、ビタミンDなどが欠乏すると骨密度などに影響し、さらに女性ホルモンのエストロゲンも関わっています。女性ホルモンのエストロゲンは、骨密度を維持する働きがあるのです。
急に体重を落とすなど無理なダイエットや栄養障害があると、女性ホルモンの分泌が悪くなります。このため月経不順になること以外にも、骨密度にも影響します。
出産した子どもにまだ影響を与える
やせの女性が妊娠した場合、妊娠中も体重が増加せず、低出生体重児(出生時体重が2500g未満)の出生率が高いと言われています。さらに1986年イギリスのバーカー博士の調査で、胎児期の低栄養が将来肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病になるリスクが高いという報告がなされ、その後も多く調査、動物実験、研究により証明され、現在広く認められています。これは胎児期に栄養状態が悪いと、様々な臓器が発育不全・機能低下になり、ホルモンの分泌不全などが起こり、 これは出生後も継続されるためその結果、出生後に栄養過多になると、肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧、メタボリックシンドロームなどに罹患しやすくなると考えられています。
今スレンダーで素晴らしいプロポーションでいたい気持ちは、女性としてよくわかります。けれども体は正直で無理なダイエットは、長続きしにくいですし、リバウンドしたりもします。それを我慢して長期間続けるほど、リスクも大きくなります。体調不良を感じたら、それは体のシグナルと考えて、将来の自分や子どもの健康のために、早めに見直して栄養バランスのとれた食事や運動を心がけましょう。
・関連リンク
健康的な体型と食生活
参考/
食生活(2007.Vol.101)
日本学術会議
その他
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