今の時代、若い一人暮らしの人はもちろん、家族世帯でも主婦が仕事をしていたり、子どもが塾通いと食事の時間がバラバラになると、1日の食事のうちの何回かは、外食や中食に頼ることは珍しいことではありません。便利な外食・中食は忙しい時には助かりますが、味が濃かったりカロリーが高いことが気になります。今回は、外食・中食メニューの塩分について取り上げます。

塩分をとり過ぎると何が問題なの?

塩
塩分は、人間が生きる上で必要なものですが、とり過ぎると健康を損ねることにもなります。
塩分は、人間が生きる上で必要不可欠なものです。また食材のおいしさを引き出すもので、あまりに少ないとおいしいと感じられません。

塩は、栄養学的にナトリウムと塩素からなり、食塩相当量はナトリウム含有量を元に換算します。

ナトリウムは、カリウムとともに細胞内外の水分を調節したり、物質交換をしたり、神経の伝達、筋肉や心筋を弛緩させる作用があります。もしナトリウムが不足すると倦怠感を感じたり脱水症状、筋肉の痛み、ひどい場合は昏睡状態になることもあります。

日本の伝統的な食生活は、味噌や醤油、お漬け物等、保存のためにも塩分を活用したものが多く、また現代では、加工品の利用が増えたこともあり、塩分が不足することはまずないと言われています。

逆に、塩分をとり過ぎると様々な弊害が生じます。一番よく知られているのは、塩分と高血圧の関係でしょう。ただし食塩による血圧上昇との関係(食塩感受性)には個人差があります。食塩を多くとってもまったく血圧が上がらない人もいるのですが、まだまだ研究を重ねなくてはならない状態で、現在はまだ食塩感受性を測る方法が確立されておらず、一般的には高血圧を予防するためには食塩を減らしたほうがよいとされています。

高血圧は、動脈硬化につながり、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす危険性が高くなります。他にも、食塩をとり過ぎると胃がんになりやすい、腎臓にも負担がかかると言われています。

特に高血圧、動脈硬化は、自覚症状がないことが恐ろしいところで、昨日まで元気にしていた人でも命に関わるような病気にならないとは限りません。特に脳疾患などは、麻痺が残る等の後遺症が残ると生活面でも困難で、健康寿命を延ばす上でも動脈硬化を予防することは重要なです。

まずは薄味を心がけましょう

現在、日本人の平均的な食塩摂取量は、男性で12.0g、女性で10.3gです(平成19年国民健康・栄養調査概要)。日本人の食事摂取基準では、成人1日の塩分摂取の目標値は、男性10.0g未満、女性8.0g未満。さらに平成22年度から平成26年度の5年間使用する2010年版では、男性が9.0g未満、女性7.5g未満と厳しくなります。高血圧患者の場合は、日本高血圧学会の定めた目標では1日6g未満(高血圧治療ガイドライン2009年版)となっています。

海外32カ国を調べた結果、摂取量が1日0.1g未満の国から15g以上までと大きな差がみられていますが、1日に3g未満と非常に少ない集団では、血圧値が低く、加齢による血圧上昇が見られないというデータもあります(『月刊食生活』2008.8月号)。

海外と日本では気候風土や食文化も異なるため、海外と同等の塩分にするのは難しいと思うのですが、確かに現代人の暮らしは仕事はデスクワークの人が多いこと、車社会で運動不足になりがちなこと、エアコンの効いた室内環境などにより、汗をかくこともなく、塩分を排泄しにくい暮らしになっているのは確かだと思います。

塩分が多い料理を食べていると、薄味では満足できず習慣化すること、またよく噛まずに食べることにつながり、肥満や口腔内の疾患など健康面でのデメリットがありますから、薄味を心がけることは大切なことだと思います。