皮や種、ワタも無駄なく活用
冬瓜の果実は、よくスープや煮物に使いますが、他の部分は捨ててしまいがちですね。中医学や漢方では、果実だけでなく、皮や種、ワタ、ツルや葉まで生薬として利用されます。すべて使い切れないとしても、私は皮等は細く切って、汁の実なしたりします。ゴミも減るので、無駄なくいただきましょう。江戸時代に著された『和歌食物本草』では、「冬瓜は、霜ふりて後食すべし…」とあるそうです。この「霜」というのは、冬瓜が熟すと皮の表面に霜のような白い粉(ブルーム)がふくからです。霜はおいしさの印なのですが、近年では「農薬が残っているのでは?」と消費者が敬遠されるそうで、白い粉が出ない琉球種が主流になっているとか。もし冬瓜の表面に白い粉がふいていても、おいしさの印ですから念のため。
■参考
『いろはに食養生』(家の光協会)
『薬膳』(東京書籍)
『東方栄養新書』(メディカルユーコン)
『食品成分表』(女子栄養大学出版部)
その他