食と健康/マクロビオティック・ベジタリアン

マクロビオティック・ベジタリアン(2ページ目)

近年、健康と環境にも配慮した食生活として、マクロビオティックやベジタリアンなどの動物性食品を控えた食事法が注目されています。今回は、これらの食事法のメリットや実践する際の注意点などをご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

何に効果があるの?

マクロビオティックやベジタリアンの食事の共通の特徴は、動物性食品を控え、植物性食品を中心にとることです。

アメリカや日本のような先進国の食事は、植物性食品よりも動物性タンパク質や脂質を過剰にとることからエネルギー過多となり、肥満から生活習慣病の患者が増えている状況で、アメリカやヨーロッパでは、日本型の食事をお手本としようとしています。

植物性食品は、低エネルギー食品のものがおおく、カラダの調子を整えるビタミンやミネラル、食物繊維、活性酸素を除去するファイトケミカルなとが豊富に含まれていることから、こうした食事法をとりいれることで、生活習慣病の予防や症状改善につながるケースがあるのだと思います。

また現在私たちは、深刻な環境問題や食料問題にも直面しています。家畜は、植物を飼料として食べています。先進国のように経済発展し肉食需要が高い国では、消費する穀物のおよそ70%を飼料に回しています。たとえば牛肉1kg を生産するのに約11kg の穀物,豚肉1kg では7kg、鶏肉1kg では4kg,卵1kg では3kg の穀物が消費された計算になるといわれています。しかも飼料となる穀物はほとんど輸入に頼るため、フードマイレージが高くなります。

このようにマクロビオティックやベジタリアンは、健康だけでなく、地球環境や飢餓の問題にも配慮した食生活なのです。

マクロビオティック・菜食をする上での注意点は?

どちらも素晴らしい思想に基づいていますし、現代人が不足しがちな植物性の食品をしっかりとり、とりすぎている動物性の油脂を控えることはよいことです。

注意すべき点としては、その食事法をきちんと勉強せずに自分の思い込みで続けないこと。というのも例えば玄米は、しっかり噛まなければ消化に悪いですから、よく噛まずに食べればおなかを壊してしまいます。何をどれだけ、どんなバランスで食べるかなどを、しっかり習得しなければ、よいことと思い込んでいても、実は栄養が不足しいれば不調を来します。

また初めからあまりに厳しく食事を制限しつづけると続かない、あるい体調が改善しないということもあります。例えば鉄分不足で貧血の状態の人は、改善のためには植物性の物より動物性の肉類の方が鉄分の吸収がよいので食べた方がよい場合もあります。厳しく植物性食品だけの食事をしていると不足しがちなのは、ビタミンB12やビタミンDなどと言われています。

人はそれぞれ体格や体質、生活習慣が異なり、厳しく制限するとスタミナがもたないという人もあるでしょう。やみくもに思い込んで続けるのではなく、自分の体にあっているのかどうか、続けて調子はよいのかどうか、どんなスタイルなら自分に合うのか、自分の体の声を聞いて判断することも大切ではないでしょうか。

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