文章:川内 潤(All About「介護」旧ガイド)

入居後も安心できない
老人ホームに入居させたとしても、安心できないってホント? 入居できないこともあるってホント?
「ウチの親も自宅で介護ができなくなったら、老人ホームに介護をお願いしよう」という考えを持つ方は以前より増えたのではないでしょうか? 従来は「姥捨て山」と揶揄されることが多かった老人ホームも、高齢社会の到来によって、世の中に必要な一般的な存在になりました。その数も介護保険が始まって以来、急増しています。

ただ、残念ながら老人ホームの全てが「最期まで面倒見てくれる」とは限りません。実は、入居者の状態変化によって退居を求められるケースがあります。病院にも入院できず、自宅での介護を強いられることさえあります。その実態について、お伝えしておきましょう。

入居後ホーム側から退居を申し出ることも!?

なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか? いくつかの理由が考えられますが、もっとも多いケースは24時間医療行為が必要となった場合です。

24時間医療行為が必要な状態というのは、一番わかりやすい例を挙げると、痰の吸引があります。痰の吸引は、医療行為であるためケアスタッフが行うことはできません(医師・家族の同意を得ればケアスタッフでも行うことができるようになりましたが、その技術を持っているケアスタッフは非常に少ないのが実情です。

通常、老人ホームでは、日中は看護師がいても夜間はいないというホームがほとんどです。そのため、夜間も医療行為が必要な状態になってしまうと、退居を求められてしまうのです。


入院拒否されてしまうことも…

「老人ホームが難しい場合は、提携の病院が面倒みてくれるんじゃないの?」という質問を受けることがあります。ただ、残念ながら病院では積極的な医療行為が必要な方でなければなかなか受け入れてくれません。それは、一時社会問題となった、どこにも行く場がないので病院に入院しているという、「社会的入院」を防ぐためです。

積極的医療が必要でない入院患者への医療報酬が引き下げられ、痰の吸引のような長期療養患者の受け入れを敬遠するようになりました。老人ホームの提携医療機関といえども、例外ではありませんので入院を拒否されることも少なくありません。

このように、どちらの入居施設・機関からも受け入れを拒否されてしまい、いわゆる「介護難民」となってしまい、結局、在宅での介護を強いられてしまうのです。痰の吸引は家族であれば行うことができます。しかし、夜も寝ずに家族が介護をすることになる生活が続いてしまいます。

このような「介護難民」にならないようにするためには、どうすればいいのかについては、次のページでご紹介します。