500年前から辛い日本食
海に囲まれた日本。必然的に塩との結びつきも強くなります |
そうしたことを示す一例として、鎖国にあった江戸時代に日本を訪れた西洋人の文献に
「(西洋料理と比べると)日本の食事は辛い」
という一文が残されているそうです。それだけ昔から辛い料理を好んだ日本人です。わざわざ減塩した梅干しが作られているように、塩辛さを求めるのは日本人の性(さが)というべきかもしれません。やはり、塩分摂取量を制限するのは難しいのでしょうか?
塩分摂取目標量の達成は不可能?
塩分摂取目標量には様々な基準が存在しますが、血圧の高い人では1日あたり5~6グラム。健康な人であっても7~8グラム未満が目標とされています。こうした塩分は、食事によって摂取されることがほとんどです。例えばお味噌汁、1杯あたりの塩分は1グラムを少し超えます。塩分が多いと感じるかもしれませんが、「目標量の範囲で摂るべき塩分は摂る」というのが、ガイドの考え方です。生命を維持するために必要な塩分は1日に1グラムで十分という考え方もあります。しかし、1日1杯のお味噌汁は発ガン予防も期待されますし、なんと言っても日本の大切な食文化です。梅干しにしても同じこと、塩分摂取目標量はあくまでも1日の合計ですから、他の部分で摂取量を制限すれば済むのではないでしょうか。
それでは、その実践方法をご紹介します。塩に対する思いの深い日本だからこそ、「塩」を使った「減塩・減ナトリウム法」があります。
次のページでは「塩」を使った減塩法をご紹介します。