/ピル(OC)・経口避妊薬

ピルについて詳しく教えて!~実用編・前編

ピルについての実際を産婦人科の先生にお伺いしてきました。「ピルが太るってホント?」「飲んでも体に悪くないの?」

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

最近「避妊方法としてピルが気になって」「生理痛が楽になるってホント?」「PMSにピルが効くって聞いたんですけれど…」なんていうご質問をよく受けることがあります。

ピルは1999年から日本でも承認され発売されるようになりました。全世界で1億人の人が内服しているという実はかなりメジャーなお薬なのです。そこで今回は3回に分けてピルについて特集します。

第2回は実際に多くの患者さんに低用量ピルを処方していらっしゃる四ツ谷レディスクリニック院の産婦人科医小林秀文先生に、ピルについての実際をお伺いしてきました。

<ピルについて詳しく教えて! シリーズ全3回>
・ピルについて詳しく教えて! その1 ピルの基礎知識
・ピルについて詳しく教えて! その2 実用編前編 ピルを使うってなんか不安!?
・ピルについて詳しく教えて! その3 実用編後編 ピルって月経不順にもききますか?
番外編 とりあえず、婦人科行ってみちゃいます?


<今回のCONTENTS>
  • 人工的に体のホルモンの量を変えるお薬を飲むのって、なんだか感覚的に怖い気がしますけれど…
  • ピルをやめたらきちんと生理って戻ってくるのですか?
  • 一定期間ピルを飲んで、必要がなくなったから飲まなくなって、またしばらくして飲み始めて…なんてことをすると体に悪くないですか?
  • ホントのところピルって太るんですか?
  • 生理痛が楽になるってホントですか?



    Q.人工的に体のホルモンの量を変えるお薬を飲むのって、なんだか感覚的に怖い気がしますけれど…

    あまりピルに対して構えなくてもいいのではないでしょうか
    あまりピルに対して構えなくてもいいのではないでしょうか
    A.人工的といっても、ピルに含まれている成分は本来女性の体の中にあるもの。もともとあるものでコントロールしているので、そんなに心配しなくてもいいと思いますよ。合わなければやめればいいわけですし(笑)。

    大体、ピルを飲むと、体内の女性ホルモンの量は、本来の女性ホルモンの量と同じかやや少なめにコントロールされます。ただしこれは2ヶ月目以降のお話。1ヶ月目はまだ卵巣がお休みにならず、自分の卵巣が分泌する女性ホルモン量があるのでちょっと不安定になります。

    ピルを飲み始めて最初の1ヶ月で吐き気、頭痛、不正出血などの副作用が出るのも、こういった理由によります。でも、大体2ヶ月目には治まりますし、長い人でも3ヶ月続くことはまずないですね。


    Q.ピルをやめたらきちんと生理って戻ってくるのですか?

    A.大丈夫ですよ(笑)。私自身、低用量ピルを処方し始めて6年、数千人の患者さんを診ていますが、いまだに生理が戻らなかった人は見たことがないですね。

    大体、1ヶ月で9割の方がもどり、残りの方も3ヶ月以内には戻ってきますよ。


    Q.一定期間ピルを飲んで、必要がなくなったから飲まなくなって、またしばらくして飲み始めて…なんてことをすると体に悪くないですか?

    A.ピルは「卵巣を休ませる」というイメージで考えていただければいいと思います。ですから、きちんとした使用法で一定期間飲んで、必要がなくなればやめて、しばらくして飲むということにはあまり問題ないと思いますよ。

    これはよく言われていることですが、子供1人を妊娠・出産すると、授乳期間を含めて2年間月経がない=卵巣がお休みしている状態になるわけですよね。例えば少し昔の人のように5人くらい産んだら、10年お休みしているわけです。避妊は、どんな避妊法であっても、もちろん生き物としては不自然な行為で、出生率がこれだけ低い状態というのもある意味異常だとは思いますけれど、現実に、少子化が進んでいる現代では卵巣がお休みする暇がないのも事実です。そういう意味では、卵巣をお休みさせるのは悪くないかも知れませんね。


    次のページでは、さらに気になる副作用についてもお伺いしました。「ホントのところピルって太るんですか?」>>
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