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妊婦中の薬の使用について(2ページ目)

一般的に妊娠したら子供に影響があるから薬を飲んではだめ、といわれています。医師からの指示がない限りは服用は避けるべきですが、これに関連する質問時々いただきますので、ご紹介いたします。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド

薬を飲んではいけない時期

原則的に、妊娠が分かった段階から、授乳が終わるまでと言われています。

妊娠が分かった時点というのは、妊娠後18日ぐらい(月経が遅れているなと感じて妊娠をチェックする時期ぐらい)をいいます。その後の妊娠2~4ヶ月(19日以降)は、赤ちゃんの器官が作られる時期ですので、通常、薬の服用は避けます。

なお、妊娠がわかる前(18日以前)の薬の影響はほとんど赤ちゃんには影響しないといわれています(※ほんの一部の薬は、体内に残ってしまうことがありますので、ご心配な場合は医師・薬剤師に相談してください)。

また、器官形成された後(5ヶ月~)、赤ちゃんとその器官が成熟してくる時期には、器官形成という点では、影響が少なくなりますが、その発達(成熟)には、影響がある薬もあります。

さらに、出産後、赤ちゃんへの授乳の際、母乳中に薬の成分が移行している場合がありますので、薬によっては母乳を通じて赤ちゃんに薬の成分が移行することがあります。

これらすべて、薬によって異なりますので、妊娠して薬の服用が必要な際には、必ず医師に相談するようにしてくださいね。

妊娠中に薬を使う場合

前述のように妊婦には薬の使用を避ける傾向がありますが、前述しましたように、妊娠中にも薬を使うことがあります。

それは、妊婦の状態と症状から、薬を中断するほうが危険な場合には、妊娠中でも薬を使う場合があります。

妊婦の使用データがある場合などは、それを基に使うことがあります。
人間のデータがない場合は、原則的に、動物実験では胎児への影響が見られない薬に変更するなど、医師の判断での投与となります。

※この場合は医師から説明がありますので、きちんとお話しして疑問点などは質問するようにしておくと、精神的に楽になると思います。


妊娠中はホルモンのバランスも変わり、不安定になりますので、薬の使用に関して疑問に思うことは医師と十分話し合うようにしてください。

安心して安定した妊娠生活が送れますことを心より願っております。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の薬局での会話をもとに構成したものです。相談が必要な方は、医師や薬剤師に実際にお聞きください。


【参考図書】
・新薬と治療(No.424)
【参考リンク先】
妊娠・胎児と薬剤>しんじょう薬局
甲状腺ホルモンの薬>おくすり110番
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