/妊娠中・授乳中・子供の薬

妊婦中の薬の使用について

一般的に妊娠したら子供に影響があるから薬を飲んではだめ、といわれています。医師からの指示がない限りは服用は避けるべきですが、これに関連する質問時々いただきますので、ご紹介いたします。

三上 彰貴子

三上 彰貴子

薬剤師 / 薬 ガイド

外資系製薬株式会社勤務後、慶應義塾大学にてMBA取得。薬剤師の資格を活かし、薬に関する情報をお伝えしていきます。体の不調を助けてくれる薬は、正しく扱わなくては効果がないばかりか、体に悪影響を及ぼすこともあります。このサイトを活用し、薬に関する基礎知識をしっかり身につけてください。

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妊娠中の薬について

妊娠がわかったら医師に相談して服用継続を検討してくださいQ:緑内障のため、以前から常に目薬をつけています。妊娠したのですが、薬を続けて使っていてもいいのでしょうか。

A:先日いただきましたこちらの質問に関しては、これまで以上に医師の指示に従ってくださいと、お答えするしかありません・・・。

知人の眼科医に聞いたところ、緑内障の程度にもよりますが、原則的には妊娠中、胎児の影響がある時期は特に中止し、授乳時期終了後に再開するということでした。しかし、薬の種類や使い方は患者さまの状態、症状によっても異なりますので、一概には言えません。

必ず、主治医(この場合、眼科の医師と産婦人科の医師両方に聞いていただくと確実でしょう)に相談して、指示を仰いでくださいね。

妊娠中に使ってはいけない理由

妊娠中に薬を飲んではいけないといいますが、なぜなのでしょうか。
その理由は、いくつかあるのですが、代表的なことをご紹介しますね。

まず、ご存知のとおり、赤ちゃんはお母さんのおなかの中で胎盤から成長するためのいろいろな栄養をもらっています。そのため、栄養だけではなく胎盤を通じて薬の成分も赤ちゃんに移行してしまうからです。

胎盤を通過して移行する要因の一つは、分子量(この場合薬剤の成分の分子量)が関係しており、1000以上ですと通過しにくいといわれています。
ただ、薬の成分のほとんどは1000以下のため、薬は移行してしまいます。
(※移行したからといってすべてが胎児に悪影響がある成分とは限りませんが、以下のように安全性のデータがほとんどないのが現状です。)

また、薬は、発売前までに安全性や効果、またその量を決めるための色々な試験(治験)を行います。動物試験から最後には人間まで試験を行うのですが、胎児の影響を懸念して妊婦には投与されません。現在では通常胎児への影響は動物実験のみで人間の妊婦のデータがありませんので、安全性は治験の段階では不明のままとなっています。そのため、原則的に妊婦には薬の使用を避ける傾向にあります。

>>次のページでは、飲んではいけない時期、妊婦でも薬を使うときについてご紹介します。>>
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