自然免疫力とは具体的には何の事?
自然免疫力を増加させるといううたい文句をテレビや雑誌、インターネット上でよく見かけます。この自然免疫力とは、具体的に何の事かご存知ですか?今回は、家庭の医学の立場からこの自然免疫力について考えてみました。
自然免疫力の相手は感染症を引き起こす微生物!
自然免疫とは、特定の微生物に働く免疫ではなく、日常的に接している、ありとあらゆる感染症を引き起こす微生物(病原体)を相手にして働いている免疫をさします。微生物がヒトのカラダへ侵入する経路は、気道、消化器、皮膚、尿路などです。自然免疫では、この侵入経路でいろいろな防御機構が働いています。気道 | 気道では鼻水中に細菌を溶かす酵素のリゾチーム、気管のゴミを粘液と一緒に外に出す繊毛があります |
消化器 | 消化器では食物中の細菌を殺す胃液中の塩酸が重要です |
皮膚 | 皮膚の角化層は微生物の侵襲を防いでいます |
尿路 | 尿路では尿による尿道の洗浄が大切です |
防御機構を微生物が突破したら…
もし、上記で述べたような防御機構を微生物が突破した場合は、下記のような様々な免疫機構(蛋白質・細胞)が動きます。インターフェロン | ウイルスに対して最初に作用する蛋白質です |
補体 | 細菌を溶かしたり、食べやすくする蛋白質です |
好中球 | 細菌を貪食する白血球です |
NK細胞 | リンパ球(白血球)の一種・癌細胞も攻撃します |
※代表的な免疫機構を取り上げました。
これらを総合したのが自然免疫です。
しかし、自然免疫力全体を測定する方法はありません。
次のページでは、免疫のお話でよく出てくる『ガンの免疫』と『NK細胞』についてお話いたします>>次ページヘ