インフルエンザ/インフルエンザワクチンの予防接種

職場のインフルエンザ感染予防にリレンザ

家庭や職場にインフルエンザに罹った人がいる場合、積極的な予防対策はあるでしょうか? 効果があるとされているタミフルは以前服薬後の異常行動が問題となりました。今年は吸入型の薬・「リレンザ」をご紹介します。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

予防接種でもインフルエンザ感染は予防できない?

インフルエンザワクチンは効かないという話があります。効くという言葉を「全くかからない」という意味と考えると、現在使用されているインフルエンザワクチンは効かないことになります。

今のワクチンによる免疫効果でできるのは、血液中の抗体を作ることだけ。インフルエンザウイルスが血中に入らなければ、抗体は充分に効果を発揮できないからです。

とはいえ、ワクチンを打っていた方が全身症状が軽くなることや、高齢者の死亡率が下がることも事実。安全性が高いワクチンですので、まずはしっかりと予防接種することをお薦めします。

抗インフルエンザ薬のタミフル・リレンザ
標的はウイルスの持つ酵素!

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タミフルもリレンザも標的は酵素のneuramidase!
以前、随分と騒がれた「タミフル」。この薬剤名はすでにご存じと思いますが、このタミフルも、今回取り上げる「リレンザ」も、抗インフルエンザ薬という点では同じです。

どちらの標的もインフルエンザウイルス表面にある酵素。この酵素のはたらきは、簡単にいうと細胞に穴をあけてしまうことです。ですからこの酵素の働きを封じ込めてしまえば、インフルエンザウイルスは人の細胞に入ることができません。また、逆にインフルエンザウイルスは感染した細胞から外へ出ることもできなくなります。特にタミフルとリエンザは細胞外へ出ることを阻害すします。結果として感染する細胞数が減るので、症状が出る期間、特に発熱期間が短くなります。

気になるタミフルの安全性

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タミフルは経口剤です!
タミフルの全世界の消費量の80%以上が日本と言われています。服薬した人が多ければ多いほど、服薬による「不都合な効果」の報告も増えます。報道で取り上げられたのは、服薬後の異常行動。特に低年齢層での異常行動でした。

その結果として、タミフルは小児科領域では使いづらい薬となりました。日本では、原則として迅速診断キット検査結果に基づいて投薬しています。非服薬でも異常行動が認められるので、異常行動が全てタミフルのせいか、という考えはグレーになります。

一方タミフルには予防効果もあるとされていますが、今回取り上げる「リレンザ」は、タミフルよりもさらに即効的に予防効果を発揮するとされています。

>>次ページでは、リレンザに使用方法について詳しくご説明しましょう>>
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