インフルエンザ/インフルエンザワクチンの予防接種

受験生と共働きの夫婦はインフルエンザワクチン接種を 抗インフルエンザ剤と迅速検査(2ページ目)

年末年始の頃に問題となるインフルエンザの予防・治療・診断には、ワクチン、抗インフルエンザ剤、迅速検査を使う事ができます。迅速検査は治療薬の投与の判断には大切です。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

【風邪の薬はないけれどインフルエンザの薬はあります】

病期とは、病気の期間の事です。インフルエンザのように発熱を伴う場合は、発熱が一つの指標となります。インフルエンザの病期は7日間です。
抗ウイルス剤はこの病期を短縮する事が可能です。

インフルエンザウイルスA及びBが表面に持ち、ヒトの細胞に取り付く時に使う酵素を阻害する抗インフルエンザウイルス剤があります。
この酵素をウイルス表面に持たない他のウイルスには無効です。
薬剤はウイルスが新たな細胞に取り付くのを阻害するので、病期が短縮します。7日が半分の3-4日に短縮します。

酵素阻害剤の商品名(一般名)はリレンザ(ザナミビル)タミフル(リン酸オセルタミビル)です。
吸入式のリレンザの方が局所の気道に直接作用します。

アマンタジンという薬剤がありますが、A型に対してだけ有効な薬剤でB型に対しては無効です。

【迅速検査の利用】

咳やくしゃみの呼吸器症状に加えて、寒気、39度越えるような発熱、関節痛がでたらインフルエンザを疑いましょう。
病院では、インフルエンザを疑った患者様に対して、インフルエンザ感染を調べる迅速検査を行う事が可能です。もっとも迅速検査といっても、~30分程度の検査時間は必要です。
使用する検体はインフルエンザウイルスの侵入経路の粘液です。検査試薬により異なりますが、咽頭(喉の奥の部分)や鼻腔の粘液を採取して検体として使用します。
AとBを区別する試薬と酵素の産生を確認する試薬があります。
リレンザまたはタミフルを使う場合はAとBを区別する必要はありません。
迅速検査でインフルエンザウイルスの感染を確認した上で薬剤を投与すれば効果はより確実なものになります。

【市販の総合感冒薬は無効です】

市販の総合感冒薬は無効です。
解熱剤は病期を長引かせる可能性があります。
早めに受診して、迅速検査をして抗インフルエンザ剤を使いましょう。
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