麻疹(はしか)は、主に呼吸器の病気です。非常に感染力が強く、空気感染しますので、流行が広がりやすいのです。今回は、小児科医であるガイドが麻疹について説明したいと思います。

麻疹(はしか)でアトピーもひどくなる!?

同じに部屋にいるだけで感染する可能性が高いのが、麻疹ウイルスです
麻疹は、発疹と発熱を特徴とする病気です。発疹が出ると、痒みを伴いますから、アトピーの湿疹が悪くなります。発疹の後が治ってからも少し黒い色が残ります。これを色素沈着といって、消えるのに、時間はかかります。高熱が4-5日続きますので、発熱のためアトピーの痒みが増します。なかなか入浴もできないと、アトピーの湿疹も悪くなってしまいます。

■喘息も悪くなる!?
麻疹にかかると、風邪様の症状が出てきますので、喘息はひどくなります。麻疹ウイルスは喘息の悪化因子でもあります。

特に、麻疹の合併症に、間質性肺炎があります。
間質性肺炎は、肺は肺胞という小さな風船の集まりですが、その風船の間に麻疹ウイルスが増殖して炎症が強くなり、呼吸困難を起こします。
この間質性肺炎がひどくなると命にかかわるのです。

麻疹(はしか)ってどんな病気なの?

麻疹ウイルスによって起こる呼吸器感染です。麻疹ウイルスは、パラミキソウイルス群RNAウイルスに分類され、非常に小さなウイルスです。そのため、空気感染すると言われています。空気感染は、感染する範囲が広くなりますので、例えば、同じ部屋にいるだけでうつります。

■症状は
口の粘膜にこのような白い斑点が出現します

感染してから発症するまでの期間、潜伏期間は10~12日です。
  • 鼻水
  • 発熱
  • 発疹
  • 眼球結膜充血・目やに

などの症状があります。特に、発疹は発熱後数日で出現します。発疹出現前後に、口の中に、「コプリック斑」と言って、白い斑点ができます。

麻疹(はしか)の合併症


■間質性肺炎
上述しましたが、風船である肺が硬くなって、呼吸困難に陥ります。人工呼吸器を使用しないといけない場合があります。

■中耳炎や肺炎などの細菌による感染症
麻疹にかかると、免疫が抑制されるので、細菌に対する抵抗力が下がり、中耳炎や肺炎になります。

■脳炎・脳症
麻疹に自然にかかると、1000例に1例の割合で合併すると言われています。

■亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
脳炎の一種で、麻疹ウイルスが持続して脳に感染し、麻疹感染後数年以上で発症し、症状が徐々に脳炎が進行し、神経症状が悪化する非常に予後の悪い病気。現時点では治療方法がありません。

■播種性血管内凝固症候群(DIC)
血管の中で、血の塊を作り、血を止める成分や血小板は少なくなってしまい、出血しやすくなる病気。体の至る所で出血してしまいますから非常に怖い病気です。

これらの合併症になると後遺症や命にかかわる病気です。
次のページでは、麻疹の治療についてご紹介します。