アトピー性皮膚炎/アトピー性皮膚炎の合併症・似た病気

アトピーの基礎知識 アトピーと花粉症

アトピーに関係するアレルギーの病気の一つとして、花粉症があります。花粉症は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどが出てくるアレルギーの一種です。アトピーでない花粉症の人も、ぜひお読みください。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

アトピーは、アレルギーの病気で、アレルギー・マーチの最後の症状です。アトピーがあって、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状が出てくれば、「花粉症」の可能性があります。今回は、アトピーに合併する「花粉症」についてご説明しましょう。


アトピーと花粉症の関係


花粉症でもっとも多いのが、この時期より飛散するスギ花粉による花粉症ですが、このうち13%はアトピーを合併しています。一方、アトピーでアレルギー性鼻炎(花粉症)があるのは40%弱、アレルギー性結膜炎があるのは15%程度と言われています。アトピーと花粉症は関係が深いことが判ります。


そもそも「花粉症」とは?


スギの木です。そろそろ花粉を飛散させ始めます。
花粉症は、アレルギー性鼻炎または鼻アレルギー、アレルギー性結膜炎の中で、花粉を原因とするものをいいます。
名前の通り、1-2ヶ月続く花粉飛散時期に症状が出現するので、風邪と異なり、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどが長く続く場合は、「花粉症」かも知れませんね。

様々な花粉が原因になりえますが、ご存知の通り、最も有名なのがスギです。日本の山の多くを占めるスギの木が原因となる「スギ花粉症」は、日本の国民病にもなりつつあります。



「花粉症」の起こるメカニズム

スギ花粉が体のIgE抗体が産生され、IgE抗体が肥満細胞に働きます
花粉が目や鼻に入ると、その花粉のIgE抗体が形質細胞(Bリンパ球)から産生されます。IgE抗体が白血球(特に肥満細胞)からヒスタミンや化学物質を産生させ、鼻や目の粘膜や血管に働いて、涙や鼻水が出てきます。粘膜の浮腫が出てくると、鼻づまりになります。


ですから花粉症にかかると、目と鼻に症状が集中するのです。
目と鼻の症状だけでもつらいものです。
鼻の症状は
  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり

目の症状は
  • かゆみ
  • 涙目
  • 充血

  • です。




アトピーで花粉症にかかった時は?

上の症状に加えて、アトピーのある時の症状は、
  • 目の周りでアトピーの湿疹が悪くなる
  • 鼻の下で湿疹がひどくなる

ことが考えられます。

特に目の周りの症状が起こった時には、目に入っても大丈夫な眼軟膏を目の周りに一時的に塗ることがあります。ただ、ステロイドは、白内障(アトピーの合併症を参照)や緑内障が起こる可能性があるので、きちんと医師と相談の上、使用してください。


次のページでは、アトピー検査の活用法をご紹介します。
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