今回は、喘息や花粉症の治療としても行われている免疫療法について説明します。アトピーだけでされることはあまりないのですが、一度は見聞きする治療なので、覚えていくとよいかもしれません。


免疫療法とは?

皮下にアレルゲンを注射します。継続しないと効果がありません
免疫療法は、「減感作療法」(げんかんさりょうほう)とも呼ばれ、体がアレルギーを起こす物質(アレルゲン)に反応することを「感作(かんさ)」と言います。つまり、免疫療法(減感作療法)は、微量のアレルゲンを反復注射して、アレルゲンに対して反応しない状態にすることです。

免疫療法のメカニズムとしては、アレルゲンに対するIgEの値が減少したり、ヒスタミンなどのアレルギーの症状を起こす化学物質が出てこなくなったり、アレルゲンに対するIgEを抑える物質が体の中で作られIgEの働きをブロックすることによって、アレルギー反応が起こらなくなると言われています。


どんな人が免疫療法をするの?

では、具体的に、どのようなアレルギーの病気に行われているのか説明します。

■喘息
  • 喘息症状がダニなどのアレルゲンによるもの
  • アレルゲンの回避が不可能で適切な治療でも喘息発作が起こる場合


■アレルギー性鼻炎
  • 通常の薬物療法ではコントロールできない場合
  • 経口抗ヒスタミン薬や局所薬物療法で症状を十分にコントロールできない場合
  • 本人が薬物療法を望まない場合
  • 薬物療法で副作用が出る場合
  • 長期間の薬物療法ができない6歳以上の患者


■過去にハチ毒によるアナフィラキシー反応などを起こした養蜂業者など。
職業上、アレルゲンを除くことができない場合

しかし、免疫療法は、免疫や心臓の病気、高血圧のある人、5歳以下の子供、妊娠している人にできません。

残念ながら、アトピーには、免疫療法に向かないかもしれません。というのも、アトピーの原因は、様々で、1つのアレルゲンだけを免疫療法で抑制しても、治りにくいことが挙げられます。アレルゲンを皮下注射すると、皮膚への刺激で、かゆみが増す場合があります。

一方、喘息・鼻アレルギーで、花粉・ダニ・ハウスダストが原因の場合では、70~80%に有効であったという報告があります。

次のページでは、免疫療法の副作用と方法についてご紹介します。