研究の方法と結果
今回行われたのは「SANDS」という名称の研究で、499人の40歳以上の北アメリカ先住民を対象に行われました。SANDSのSはストップ!のS、Aはアテローム性動脈硬化症のA、Nは先住民、Dは糖尿病、Sはスタディの頭文字です。研究の参加者は平均年齢56歳、2型糖尿病があって高血圧かつ高コレステロール血症、ただし心臓発作を起こしたことはなく、他の心臓病の予見もない人達でした。
全員が3年間にわたって糖尿病を含む通常の治療を受けて、食事やエクササイズの指導、禁煙サポートなどもまったく同等に受けました。ただ一つ、499人を2グループにランダムに分けて、悪玉コレステロールと血圧の目標だけを別々に設定したのです。
一方には現在の標準目標値として、LDL-Cを100mg/dlまで下げること、収縮期血圧(高い方)を130mmHg以下にするようにしました。もう一方にはLDL-Cを70mg/dl以下に、収縮期血圧を115mmHg以下という極めてタイトな目標を与えました。
アメリカ先住民は糖尿病の罹病率が高く、糖尿病による心臓病もとても多い人達です。その予防のためにコミュニティに適した目標値の必要や、積極的なLDL-Cや血圧の順守が2型糖尿病に与える影響を調べる研究でした。
参加者は3ヵ月に1度コレステロールや血圧のチェックを受けて、食事やエクササイズの調整と共に必要ならコレステロール降下薬や血圧の薬を処方されました。両グループは平均点としてそれぞれのコレステロールと血圧の目標を達成しました。そして両グループ共3年間の心臓発作の数は想定よりも少なかったのです。
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