糖尿病だと果物を食べてはいけないの?

果物と診察

「低糖質ダイエット」ブームから、糖尿病患者は果物を食べてはいけないと指導されることもあるようです。しかし「ダメ」と言われると一層食べたくなるもの……。糖尿病であっても果物と上手に付き合う方法はないものでしょうか

糖尿病の食事療法としてブームにもなった「低糖質ダイエット」。支持された理由として、以下の2点が挙げられるようです。

  1. 糖質だけを考えればよく、他の栄養素については考慮する必要がないため、注意を払わなければならない食材の種類が限定される。そのため、やるべきことがわかりやすい。また糖質以外の食材(肉や魚など)は制限がなく、焼き肉食べ放題などに行っても問題ない
  2. ウィスキーなどの蒸留酒であれば飲酒も可能

しかし、低糖質ダイエットはお菓子類だけでなく、米飯やパン、麺といった日本人にとっての「主食」を制限します。主食を制限することは、エネルギー源である炭水化物・たんぱく質・脂質のバランスが大きく崩れてしまいます。そのため、主食制限はやりすぎであるとして、「せめて果物だけでも止めたらどうか?」という考え方が出てきているのだと思います。

実際、糖尿病の患者さまの食事内容を調べてみると、毎食後にデザートとして果物をしっかり食べないと気が済まないという人も多いものです。特に高齢の糖尿病患者のなかには「果物を食べることが唯一の楽しみだ」という人も少なくありません。

糖尿病治療効果を下げない果物の食べ方・量の目安

「果物を食べてはいけない」と言われてしまう患者さまの多くは、果物の摂りすぎであることが多いようです。『糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版』では、果物も食べるべきものとして、必要量として指示カロリーが1600kcalの人で1日1単位(80kcal)が指定されています。

それぞれに指示カロリーが違うと思いますので、それに見合った1日の必要量を守れるような量を食べればよいのです。ここに目安として果物1単位分のグラム数を一覧表として示します。参考にしてください。

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しかし、一覧表を見ればよいと言っても、いちいち見比べるのは大変です。一覧表に出ていない果物もありますので、毎日、それぞれの果物のエネルギー量を調べて何グラムまで食べてよいか計算するのは大変だと思います。

そのため、高齢でどうしても果物を食べたいという患者さまには「果物はこぶし1個分を1日量として、毎食後のデザートとして食べたいのであれば、これを3等分した量くらいを目安にする」という方法をお話ししています。手であれば、どこにいても持ち歩いていますし、食べ物と大きさを見比べるのも難しくはありません。

ここで一度、練習をしてみましょう。一覧表を見ると、みかんは中くらいのもの2個くらい、りんごは半分くらいです。そして自分のこぶしの大きさと見比べてみてください。いかがでしょうか? 同じくらいの大きさではないでしょうか。

お子さんが糖尿病の場合、果物で80kcal分を食べてしまうと多すぎてしまう可能性も高いですが、本人のこぶしの大きさと同じくらいの量が適量と考えて食べるようにすれば、ほぼ問題はないと考えてよいと思います。

果物だけが悪ではない! 食べ方のタイミング・量・質の工夫を

果物

一時的に上手く行けば良いというものではないので、生涯を通じて自分に合った生活習慣を身に付ける必要があります

果物は食事のごく一部です。それだけに気を付ければよいというわけではありません。

糖尿病の食事療法は食事のタイミング・食事の質・食事の量の3つの要素があると思います。低糖質ダイエットは食事の質に特化した方法ですので、食事のタイミングと食事の量については全くノーマークです。こういった方法は一時的には上手く行くかもしれませんが、どこかで無理が生じて、リバウンドしやすいものです。

糖尿病の治療は一時的に上手く行けばよいというものではありません。生涯を通じて、血糖値が上がりにくい生活習慣を身につけることが最も大切です。

そのためには、食事療法も精神的にも負担の少ない方法で行う必要があります。必ずしも低糖質ダイエットが悪だというつもりはありませんが、これだけが食事療法のやり方ではありません。時間がかかってもいいので自分自身に負担がかからず、治療効果が出やすい方法を探してみてください。
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