みかんの種類・産地・収穫量

みかんを食べる子供たち

冬に出回るおいしいみかん。有名な産地がたくさんありますが、味や栄養価に違いはあるのでしょうか? 薄皮は食べるべき? いろいろな疑問にお答えします。

冬になると出回る「みかん」。漢字では「蜜柑」と書きますが、字を見るだけでも甘くておいしそうですね。一般的に「みかん」と呼ばれるものは、正確には「温州みかん」というものです。

大きく分類すると「早生品種」と「普通品種」に分けられ、細かくは「宮川早生」「青島温州」などさまざまな品種があり、「紀州みかん」「三ケ日みかん」「愛媛みかん」など産地名がブランド化しているところもあります。「温州みかん」と「温州」の文字がつくところからも分かるように、気候が温暖な地域でおいしい「みかん」が採れます。

1990年くらいまでは、みかんはダントツで日本一収穫量の多い果物でしたが、収穫量は年々減少しており、2006年に「りんご」に収穫量1位の座を譲り、その後は「みかん」と「りんご」が収穫量1位を僅差で争っています。
 

みかんの栄養価……約6つで1日分のビタミンC

気になるみかんの栄養価ですが、『日本食品標準成分表2015年版(七訂)(以下「食品成分表」)』では、「早生品種」と「普通品種」に分けられているのみ。地域差等による差異は残念ながら表示されていません。

「早生品種」と「普通品種」の栄養価はいずれも可食部100gあたり45キロカロリー前後。可食部100gは、中くらいの大きさで2個くらい。食品成分表で見る限り、βカロテンは「早生品種」よりも「普通品種」が2倍程多いようですが、βクリプトキサンチンは「早生品種」の方が200マイクログラム多いため、βカロテン当量(ビタミンAの原材料としての効力と考えてください)はほぼ同じ。これ以外の栄養素量もあまり大きな違いはないことがわかります。

みかんはビタミンCの宝庫というイメージがあるかもしれませんが、大体みかんを6つ(300g)程度食べると、1日分のビタミンCが充足できる計算になります。
 

機能性表示食品としてのみかん……骨の健康に役立つ成分も

テーブルの上のみかん

みかんは「機能性表示食品」のひとつです。みかんに含まれるβクリプトキサンチンが骨の健康に役立つとして表示が許可されています。


みかんの一部が「機能性表示食品」であることをご存知ですか? 産地ごとに登録を受けていて、2018年10月19日現在は「三ケ日みかん」「とぴあみかん」「清水のみかん」「西浦みかん」「広島みかん」「有田みかん」「紀南みかん」が登録されています(機能性表示食品データベース「β‐クリプトキサンチン」)。

これは、温州みかんに豊富に含まれているカロチノイド色素の一種であるβクリプトキサンチンが「骨代謝のはたらきを助けることにより、骨の健康に役立つ」ということで許可を受けています。

機能性表示食品は、食料品ではあるが、健康効果があると考えられている食品に表示が許可されるもので詳しくは消費者庁のページを参照して下さい。βクリプトキサンチンはプロビタミンA、すなわちビタミンAの材料だと考えてよいでしょう。βクリプトキサンチンには、プロビタミンAとしての働き以外にも、がん、循環器系疾患、糖尿病などの生活習慣病の予防効果などの生体調節機能があることが明らかになっています。
 

みかんの食べ過ぎは身体に悪い? 皮膚が黄色くなる柑皮症(かんぴしょう)とは

「みかんを食べすぎると手が黄色くなる」と聞いたことがある人はいませんか? 皮膚が黄色くなるので「肝蔵が悪くなったのではないか?」と心配する人もいるかもしれませんが、結論から言うと、健康への害はありません。

みかんの色素はβクリプトキサンチンなどのプロビタミンA。すなわち油脂に溶けやすい「脂溶性」です。そのため、皮膚の表面近くにある体脂肪に溶け込むことで、皮膚が黄色く見えてしまうのです。

見た目で驚いてしまうかもしれませんが、柑皮症になったとしても、内臓など他の部位への健康に影響するような問題ありません。これといった治療法はありませんが、みかんのシーズンが過ぎてみかんのドカ食いをしなくなれば、通常の皮膚の色に戻っていきます。他にも、プロビタミンAであることが多いオレンジ色の色素を多く含む、かぼちゃやにんじん、ほうれん草、オクラ、ブロッコリーなども食べ過ぎると柑皮症の原因になります。基本的にはオレンジ色の食品の食べ過ぎに気をつければよいのですが、過去に「焼き海苔」を食べ過ぎたことで柑皮症になったという事例もあるようですから、症状が出た場合には、特定の食品を食べ過ぎていないか確認してみるとよいと思います。

ただし、完全に安心してはいけません。あまりに黄色が濃い場合は食品色素が溶けるための脂肪がたくさん存在しているという意味になります。場合によっては「脂質異常症」を疑う必要があるかもしれません。脂質異常症は生活習慣病の入り口として非常に怖い症状です。冬季にみかんを食べすぎて手が黄色くなった人は、健康診断などでチェックを欠かさないようにして下さい。

また、柑皮症と黄疸の見分け方ですが、眼球の白目の部分が黄色くなっているかどうかで判断できます。白目の部分が黄色くなっていなければ黄疸ではなく、柑皮症であることがほとんどです。しかし、特にお酒も好きだという場合は、念のため病院を受診するのがよいでしょう。
 

みかんの房は皮ごと食べる方が健康によい?

みかんの栄養や食べ方でもっとも意見が分かれるのは、一般的には「薄皮」と呼ばれるみかんの房(じょうのう)の皮を食べたほうがいいのかどうかというところだと思います。また、房に張り付いている白いわた状の繊維であるアルベドは、取るべきか、食べた方がいいのかどうかも意見が分かれるようです。

みかんの房の皮やわた状の繊維には食物繊維が豊富に含まれています。薄皮に含まれる水溶性の食物繊維である「ペクチン」は、腸内の不要物を排泄するのに一役買っているといわれています。また「ヘスペリジン」はビタミンPともよばれ冷え性の改善に効果があるという研究もあります。このように、それぞれの成分の健康効果は明らかになっていますが、高齢者や小さな子供のように薄皮があると食べ辛いと感じることもあると思いますので、無理はせず、個々人がおいしいと思う食べ方で食べるのがよいと思います。
 
これからますます寒さが増して、美味しさが増すみかん。美味しく食べて、寒い冬を乗り切りましょう。
 
■参考
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