糖尿病/その他の糖尿病の合併症

新しい合併症!? 糖尿病と難聴リスクの関係(2ページ目)

糖尿病と聴覚障害の関係は、はっきりしていませんでした。しかし6月、アメリカ糖尿病学会で糖尿病者は2倍も難聴になりやすいという発表があったのです。真偽の程は? 詳しくご紹介しましょう。

執筆者:河合 勝幸

糖尿病者の聴覚障害は他の条件とは独立した因子だそうです。すなわち、性別、人種、民族、教育程度、経済状態、過去に騒音の大きな環境にいたか否かには左右されなかったのです。男女を問わず、学歴も収入も関係なく、糖尿病がある人は2倍も聴力に問題があったのです。

研究者の見解では、糖尿病の診断がついた時には聴力のテストも受けるべきだとのこと。特に2型糖尿病は発症がいつだか分からないので、診断時に合併症が見られることがあります。聴覚に問題があれば目だって危険なのですから。

研究者は難聴も合併症ではないかという意見を発表しています。糖尿病があると心筋梗塞や脳卒中のリスクが2~4倍も高くなりますね。それと同じようなデータだそうです。

原因としては高血糖による血管や神経の障害が考えられますが、それは今後の研究の課題になります。

2004年にイタリアの研究者たちが糖尿病者の聴力を詳しく研究した論文があります。それによると糖尿病が聴力を低下させる原因としての仮説が実にたくさん引用されています。日本の研究者によると糖尿病は蝸牛管血管条を変性させるそうですが、このレベルになるといやはや意味がわかりません。でも影響が認められないという報告もあるのです。

このイタリアの論文では明らかな聴力低下は立証されませんでした。被験者達の平均A1Cは7.5%で重度の網膜症もない人達です。糖尿病の合併症となると血糖コントロール、病歴、他の合併症、血圧、脂質異常が複雑にからみますからなかなか比較できませんね。

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