糖尿病と五十路肩の関係は

糖尿病の合併症と言うと目の網膜症や腎臓、神経障害のような微小血管系が代表的ですが、心臓や脳血管系、そして手足の変形や五十肩のようなものも含まれます。

五十肩は昔は四十肩とも言われましたが、今は50代・60代に増えています。主に中年以降に肩を中心にして上肢の痛む病気です。女性に多くみられます。
ありふれた俗称ですが、改まって『肩関節周囲炎』などと表現するより、年齢の進んだ人にみられる肩関節の痛みのある運動障害を表わす名前としてとても明解なものです。
英語の俗称もFrozen Shoulder(凍りついた肩)となっていて、これも腕が上がらない状態をうまく表現しています。

日本ではこの五十肩を糖尿病の合併症に入れてないようですが、糖尿病も五十肩のリスク要因のひとつです。まだ正解なデータはありませんが、ADA(アメリカ糖尿病協会)によると糖尿病のある人の20%が五十肩になるのに対し、糖尿病のない人は5%となっています。

五十肩というのはいろいろな症状が現われる『症候群』とも言うべきものです。『ここが痛い』と特定の場所を示すこともできないので、多様な原因があるのではと考えられています。
なぜ糖尿病者に多いかも諸説ありますがまだ分からないことがたくさんあります。
ひとつの考えとして、血糖が高い状態が長く続くとブドウ糖がタンパク質に結合して、更にタンパク質同士が重合していくようになります。
これがコラーゲンを変形させて手の指をカギのように曲げてしまったり、硬直させてしまう合併症を起すことがあります。
こういう仕組みが肩に起こることは十分に可能で、実際に1型糖尿病者の五十肩で関節の回りに『線維形成』があるのをMRIで確認することもあるようです。

大半の人は半年から1年程度で特別の治療をしなくても痛みが減りますが、長い間うごかさないようにしているために関節運動がなかなか回復しません。糖尿病のある人は特にこの機能の回復が完全に戻りにくいとされますから、専門医の指導を受けて痛みのある内にリハビリを開始した方がよいようです。

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