穿刺器 |
糖尿病には"悪い"無痛もありますよ。
もし高血糖が痛みを伴うものだったら、糖尿病を放置する人はいません。生活習慣病の高血圧症、高脂血症そして糖尿病は「サイレント」であることが一番怖いところです。これは"悪い"ほうの無痛。
インスリンを使っている人は血糖が急激に低下すると低血糖の症状が自覚できます。
2型の人でも泌尿器がかゆくなったり、尿に妙なケトン臭があれば高血糖がうすうす感じられるものです。
でも困ったことに普通の血糖値はまったく自覚できません。だから自己血糖測定が必要なのです。
今の採血式血糖測定器をほとんど無痛にする方法
2つのやり方があります。1つは25ゲージ位の太めの穿刺針で浅く、さっと切るように刺します。もう1つは30ゲージ以上の極細の針で深めに刺します。どちらも指先をよく温めて血行をよくしてから、穿刺器の一番浅い深度で指先の側面から採血すればほとんど痛みはありません。
どちらを選ぶかは個人の好みです。私は両方持っていて、その日の気分と指によって使い分けています。
痛くないところから採血する
前腕部などの痛覚の少ないところで採血することは長い間の夢でした。ところがこういう場所は十分な採血量が取れないのです。「電流」の強さではなく「電気量」を測定できる新技術の開発で、ごく少量の血液で済むようになったのでこの代替部位の痛くない血糖測定ができる時代になりました。
喜んだのもつかの間で、食後や低血糖時のような急に血糖が変化する場合は指先に比べて30分ぐらいタイムラグ(遅れ)があるようなのです。
普段は痛くないところで、低血糖が心配な時は指先と使い分ける人が増えています。
もう実用化している無採血測定器
日本では未だですがアメリカで発売されている「グルコウォッチ バイオグラファ」は腕時計型の無採血の連続血糖測定器です。詳細は当サイトの別記事グルコウォッチいよいよ発売をご覧ください。張りつけ式連続血糖測定器
一番実現性が高い無痛連続血糖測定器です。使い捨てのパッチをお腹にペタリと張りつけて、センサーをベルトやポケットに入れておきます。腕時計型と同じ原理で「細胞間にある液体」の糖度を測定します。
アメリカでは50万人とも言われる人がインスリンポンプで健常人と同じ生活をしていますが、ポンプの人は3日に1度はカテーテルやその挿入場所を替えるので、このパッチ式も3日間で使い捨てにするようです。
必要な時に血糖値が分かればポンプの人はありがたいでしょうね。
インスリンポンプメーカーのMedtronic MiniMedはもうFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けていますし、製薬会社のアボット(Abbott)も猛追しているところです。