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グルコウォッチいよいよ発売

無採血のグルコウォッチ・バイオグラファー(シグナス社)が4月中旬よりアメリカで発売になりました。装置は78,000円、一日1,200円のセンサーが必要です。

執筆者:河合 勝幸

無採血で連続12時間の血糖値を測定できるグルコウォッチ・バイオグラファー(シグナス社)が4月中旬よりアメリカで発売になりました。

一年前にアメリカ食品医薬品局(FDA)から認可が下りた時は大いに話題になりましたが、市場に出るタイミングが遅れたせいか今回の発売は全く目立ちませんでした。

グルコウォッチ・バイオグラファーは文字どおり腕時計のように身に着けます。普段は時計そのものの時刻表示なのですが、20分毎に自動的に血糖値を測定します。
3ヵ月分のデータをメモリーして血糖値の変化のトレンドを示してくれます。

メーターの裏に『オートセンサー』と言われる小さなパッチを2個セットして、それが皮膚の下から組織の『間質液』を取り出して血糖値を調べる仕組みです。
価格は本体が595ドル(約78,000円)、12時間有効のオートセンサーが4.5ドル(約600円)です。オートセンサーは使い捨てなので、一日24時間モニターしようとすると1,200円も掛ります。

グルコウォッチ・バイオグラファーは医師の処方が必要な医療器具で、しかも健康保険の適用外なのが泣きどころです。なにしろ採血式の血糖測定器は全てが保険でカバーされているのですから。

それでも『株』のアナリストはシグナス社の株価が2~3倍になると強気の予想を立てています。
アメリカだけでも200万人の糖尿病者をターゲットにしているのですが、この200万という数字は一日数回血糖値をチェックしている『意欲的な患者』の数だそうです。

強気の株価アナリストに対して、医療サイドは意外な程冷静な見方をしています。
アメリカ糖尿病協会(ADA)の臨床ガイドライン担当のNathaniel Clark医師は、この装置が医師にも患者にも役に立つことを認めた上で、なおかつ限定された使い方しかできないだろうとします。
最終的には『採血式』の血糖測定器で確認をとらないと、低血糖・高血糖時の対応ができないのだから完全に代替機能を持っているわけではないというのです。
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