エレクトの仕組みと糖尿病のトラブル
性的興奮の神経刺激によって血管の内皮細胞からNO(エヌ・オー、一酸化窒素)が放出されて、それが隣接する血管平滑筋をゆるめて(血管を拡張して)血液がペニスの海綿体に流入して充満することでエレクトが起ります。糖尿病とEDが関連するのは、高血糖による自律神経そのものの障害と、たとえ神経伝達物質アセチルコリンを受けても細小血管が傷んでいるために血管をゆるめる物質NOが放出できないという2つの機序が考えられています。
つまり性的興奮が神経障害でペニスに伝わらない、あるいはアセチルコリンが伝達されてもNOが放出されないから血管が拡張しない、つまり二重にエレクトしにくいのです。
ところでバイアグラ(一般名、シルデナフィル)やシアリス(一般名、タダラフィル)のようなエレクト不全治療薬は、PDE5阻害剤と言われる薬です。5型PDEとはエレクトを中断させる酵素で、必要なものでもありますが、これが作用しすぎるとエレクトが保持できません。そこでこの酵素の働きを阻害すべく開発されたのがバイアグラなどのPDE5阻害剤です。
狭心症の治療薬ニトログリセリンなどの硝酸薬とPDE5阻害剤と併用してはいけないのはご存知ですね。この2つの薬は作用が似ていて、一緒に飲むと血圧が急激に下がりすぎてとても危険だからです。
バイアグラは狭心症の薬を開発中にたまたまエレクトを保持する効果が見つかったものです。後から分かったことですが、5型PDEという酵素は心臓と海綿体に多くあるものだったのです。糖尿病者でもEDは治療するものですよ。その場合は糖尿病であることを正直に言うこと。心電図で心臓をチェックしてもらいましょう。
関連リンク
from All About[ED・勃起不全]