不眠・睡眠障害/睡眠時無呼吸症候群(SAS)

山陽新幹線の居眠り運転事故から考える やっぱり怖い睡眠時無呼吸症候群(2ページ目)

山陽新幹線の居眠り運転問題で話題になった「睡眠時無呼吸症候群」。今回はこの病気について考えてみたいと思います。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド


自覚症状がないので、自分では気づきにくい

この病気がやっかいなところは、“眠っている最中なので、自分では気づきにくい”ということなのです。先ほどの不規則ないきびにしてみても自分ではなかなかわかりません。

しかし、3月7日付けの共同通信では、4000人を対象とした松山市の医師の調査で1.6%が治療が必要だと診断されていたことを報告しています。また、別の調査でも2%前後の要治療の結果が現れており、こうした傾向は日本人全体に当てはまるものだといわれています。

また、米国ではスリーマイル島の原発事故やアラスカ沖のタンカー座礁事故、スペースシャトル発射直後の爆発事故なども睡眠時無呼吸症候群と関係していることが報告されており、米国ではこの病気にかかっている人が4%ほどいるといわれています。

以下で多くが思い当たれば、睡眠時無呼吸症候群の疑いあり。まずはチェックしてみましょう。
寝ているときによく息苦しさや寝苦しさを感じる
 
最近異常ないびきをかいているといわれることがある
 
もともと肥満、高血圧、不整脈などの症状がある
 
もともと鼻炎や鼻づまりなどの症状がある
 
朝起きると頭痛がする
 
日中眠くてたまらないことがある
 
口の渇きが気になる
 
夜中によく目が覚める
 
運転中や会議中にうっかり居眠りしてしまうことがある
 
インポテンツに悩んでいる
 

では、睡眠時無呼吸症候群を克服するにはどうしたらいいのでしょうか。専門医に相談すると、睡眠時に呼吸を楽にするためのマウスピースや、鼻から空気圧を送り込む装置(CPAP療法)などの治療法を提示していただけます。また日常生活の中では、下記のようなことに気をつけるとよいともいわれています。

・横向けで寝て睡眠時の呼吸を楽に
・肥満の人はまず減量
・鼻炎などの持病をなおす
・アルコールやタバコをやめる

特に、乗り物の運転や機械の操作を日常的に行っている人は、ちょっとした居眠りが大きな事故につながることもあるので、早めの治療が必要です。まずは医療機関にご相談を!

参考サイト
健康な睡眠・呼吸を考えるサイト /いびき・睡眠時無呼吸症候群


■もっと情報■
 ・睡眠時無呼吸症候群について相談できる医療機関の情報が満載!
全国診療施設紹介(健康な睡眠・呼吸を考えるサイト)


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