うつ病/うつ病の原因・症状・セルフチェック

うつ病は心の風邪:こじらせないように うつ病は放置しては危険!

うつ病は、心の風邪という別名があるほど、身近な病気ですが、こじらすと治すのにてこずってしまい、早めの治療がポイントです。治療としては、効うつ薬による薬物療法が主体です。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド


うつ病は、心の風邪という別名があるほど、身近な病気です。気分の落ち込みが特徴で、精神疾患の中では、気分障害に分類されます。それでは、うつ病になったら、どんな症状が現れるか見てみましょう。

●症状:うつ病になったら

以下の症状が代表的なうつ症状です。
1.気分の落ち込み、憂鬱
2.今まで楽しめていたことが楽しめなくなる
3.食欲、体重の変化
4.睡眠障害
5.活動性に変化
6.疲労感
7.自分に自信がなくなり、自分を責めてしまう。
8.集中力の低下
9.死にたくなる

次に、どのように、うつ症状が現れ、こじらせてしまうか、例を通じて見てみましょう。

●具体例

36歳の弁護士の男性が、睡眠薬を大量服薬した後、精神科の受診となりました。経過は以下の通りです。

数ヶ月程前に、新居に引越した後、次第に、疲れやすく、寝つきが悪くなり、朝、起きた時、すっきりしなくなり、好きだったゴルフの回数も減り、休みの日は、部屋に引きこもりがちになりました。顧客の話にも集中できず、うわの空できいてしまうこともありました。

そうしているうちに、ここ数週間、仕事のスケジュールがつまり、疲れはてて、落ち込んでしまい、眠れない夜が続くようになりました。仕事の能率も落ち、自信がなくなり、家庭でも、家族と会話を交わすことが減り、家族へのケアもかけ、たまりかねた妻が離婚をほのめかすようになりました。

この例では、うつ症状として、疲労感、集中力の低下が見られ、それらは一時的な変調ではなく、数週間と持続しています。睡眠障害も顕著で、睡眠薬の大量服薬による自殺未遂にまで至り、仕事、家庭面でも、問題が生じています。うつ症状の原因となりうる身体疾患(甲状腺低下症など)や、アルコール依存なども、ありませんので、うつ病と診断されます。それでは、うつ病と診断されたときの治療を見てみます。

●治療:うつ病と診断されたら

治療としては、効うつ薬による薬物療法が中心です。効うつ薬の種類、量は、患者さんがベストのレスポンスが得られるように考慮されますが、近年はSSRIといって、脳内の神経伝達物質であるセロトニン系に作用する薬が主流です。効果の発現までには時間が必要で、3~4週間かかることもあります。

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最近、どうも仕事の能率が落ちたとか、週末の外出が減り家で過ごすことが多くなっていませんか?これらは、しばしば、うつ病のサインです。最初に述べたように、うつ病は、心の風邪といいますが、こじらすと上記の例のように大変です。もしも、ご自身で、上記の症状に該当する事がありましたら、精神科で相談されてみたらどうでしょうか?

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