水虫は梅雨から夏にかけて多く、空気の乾燥する冬には少ないという傾向がありますが、暖冬の影響もあってか、忙しく活動する方を中心にこの季節でも見られることがあります。男女年齢問わず、日本で多く見られる水虫、医学的には白癬(はくせん)という病気についてご紹介します。


水虫の正体は?

白癬菌
白癬菌を培養するとこのようになります(画像提供:株式会社エスアールエル)
日本では約1,500~2,000万人以上が水虫にかかっていると考えられています。感染に気がつかない人を含めると、成人の5人に1人は水虫ではないかという意見もあるぐらい、日本人に非常に多い病気です。水虫とは言いますが、原因は「虫」ではなく真菌、つまりカビの1種です。真菌にも様々なものがありますが、その中でも培養した姿がまるで糸のような「糸状菌(しじょうきん)」、特にヒトの皮膚に感染する皮膚糸状菌を「白癬菌(はくせんきん)」と呼び、白癬菌によって生じた皮膚真菌症を「白癬(はくせん)」と言います。

少しややこしい話となりましたが、簡単に言うと
「水虫は白癬菌というカビの仲間によって起こる病気」
ということになります。

白癬は生じた体の部位によって、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、手白癬、足白癬、爪白癬のように表現されます。このうち、手・足・爪白癬が俗に水虫と呼ばれるものです。ちなみに股部白癬はインキンタムシ、体部白癬はゼニタムシという俗称もあります。いずれにしても、水虫は「感染症」ということになります。感染症といえば風邪、インフルエンザ、感染性胃腸炎などのように他の人にうつるのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。ではどのようにして白癬にかかるのでしょうか?


感染経路は本当にバスマットとスリッパ?

スリッパ
水虫の人のスリッパを履いても、簡単に感染することはありません
水虫は文明病と言われることがあります。長時間靴や靴下をはくことによって、白癬菌が増殖しやすい環境を作り出してしまうことが大きな原因となっているようです(足白癬を欧米では俗にAthlete`s foot、運動選手の足、と表現されることもあります)。

ところで「水虫の人のスリッパをはいたから」「一緒のバスマットを使ったから自分も水虫にかかった」というお話を聞くことがありますが、実はこれ、必ずしも事実とは言えないようです。白癬は感染症の1種ではありますが、インフルエンザなどと違って、簡単に人から人にうつるものではありません。例えば健康な人の皮膚に白癬菌が付着して、そこから皮膚に侵入して感染が成立するまでには凡そ12時間は必要とされています。毎日きちんと洗っていれば、ここから感染する危険性は非常に少なくなります。

ただし、お子さんが水虫にかかっていることがわかったら要注意です。感染力の弱い菌ではありますが、大人がかかって治療せずに放っておいた結果、家庭内に白癬菌をばらまいてしまいお子さんに感染したのかもしれません。このような時はお子さんだけでなく、大人の家族も一緒に白癬菌に感染していないのか調べる必要があります。


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