皮膚・爪・髪の病気/水虫・爪白癬

暖冬の影響? 水虫注意報発令!(2ページ目)

日本人の5人に1人は水虫という推計があるぐらい、水虫は多い病気です。水虫という言葉はよく知られていますが、具体的にはどんな病気でしょう?冬でも悪化することのある、水虫の診断と治療についてご紹介します。

執筆者:吉國 友和

塗り薬と飲み薬、どちらを選ぶべき?

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冒頭でも触れたように、薬局で塗り薬を購入することができます。最近の外用剤の主流は、イミダゾール系という抗真菌剤を含んだものですが、同じ外用剤でもクリーム・軟膏・液剤・ゲル剤など、それらを使い分けることも必要です。本来は皮膚科で診察を受けた上で治療していただくのが一番ですが、あえて医療機関で足白癬に多く用いられている外用剤の特徴を述べると次の通りです。
  • クリーム……べとつかずに使用しやすく、不要となった角質を除去しやすい
  • 軟膏……クリームとほぼ同等ながら、湿った部位に用いることが多い
  • 液剤……浸透力がありアルコールを含むと乾燥させやすい(ただし、炎症が強い部分に用いると刺激・痛みが悪化することも)
  • ゲル剤……クリーム剤とほぼ変わりないが、べとつきが更に少ない
このように簡単に触れただけでも様々な違いがあります。

また、外用剤に対して内服治療も最近では増えてきています。外用剤だけで水虫を完治する例はほとんどないようですが、内服治療によって完治する例が増えています。以前は真菌の増殖を抑える程度の静菌作用を持った治療薬だけでしたが、殺菌作用を持ったテルビナフィン、イトラコナゾールという薬剤の登場によって治療法にも幅が出ました。


効果的な内服治療、その注意点は……?

水虫の治療には内服治療がより効果的ですが、まずその薬を使うことができるかどうかを判断する必要があります。例としてイトラコナゾールを用いるときの注意点を挙げると、以下のようなことがあります。
  • 肝臓や腎臓機能に大きな異常がないこと
  • 持病の治療に使用している薬と併用できること
  • 妊娠していないこと(授乳も避ける)
  • 過去に同一成分の薬剤でアレルギーがないこと
それ以外にも、不整脈・高血圧・高脂血症・偏頭痛・精神疾患などで薬剤による治療を受けている場合には、使用されている薬剤と一緒には水虫の内服治療を行えないこともあります。こうした条件をクリアすることができれば、初めて水虫の内服治療を開始することができます。制約のある治療ではありますが、何年も水虫で悩まされている方は医療機関で相談してみてはいかがでしょうか。

注意:すべての薬剤について言えることですが、新たな薬剤の開発によって併用注意となる薬剤や、重篤な副作用報告が追加される可能性もありますので、その都度確認が必要になります。


次のページでは水虫に対する内服治療、医療機関での診断の必要性についてご紹介します。
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