最近、様々なメディアで取り上げられている「ED」(勃起障害:Erectile Dysfunction)が男性にとって、いまや深刻な問題になりつつあること、みなさんはご存知ですか?
特に30~40代のいわゆる”働き盛り”で起こる事も多く、それが家庭に様々な問題を起こしているのも現実です。ED患者は20代前半から80代まで幅広い年齢層に渡っています。患者数は全国で約900万人と推定されており、50代以上になると約40%以上の方がEDであると言われております。
そして不妊症においても男性不妊原因の約20%の患者さんがEDと言われております。そこで今回はそんなEDについての様々な情報をお伝えしたいと思います。
■EDの診断と主な原因とは?
EDの診断は、主に問診が主体となります。国際インポテンス学会で考えられ、日本性機能学会で訳された「IIEF5」という問診表を使うことにより、その人の病歴・薬歴・性機能を診断いたします。また身体所見や臨床検査によって基礎疾患やホルモンの異常がないかを調べます。
この検査で、EDの原因が心の影響によるものなのか、それとも病気や薬剤、身体的異常に起因するものなのかがわかってまいります。
主なED原因は、下記のようになります。
●生活習慣病によるもの
糖尿病・高血圧症・心臓病・高脂血症などで陰茎(ペニス)の血管が障害をうけ十分な血液が流入しないため
●前立腺の手術や脊髄の神経のけがなどによるもの
中枢神経と陰茎の神経のつながりが断たれるため
●薬剤性によるもの
一部の高圧薬やうつ病治療薬などの副作用
●喫煙・飲酒・ストレスによるもの
これらの原因が単独、もしくは複合してEDを引き起こしています。
■EDの治療ってどんなもの?
EDのまず最初の治療は、上記の原因となるものを特定してそれを解消することからスタートします。
心理的な問題がある場合は、その心理的にストレスを感じるものの除去や環境整備、そしてカウンセリングなどが必要となります。
また高血圧などの循環器の病気や糖尿病のような疾患の場合はまず基礎疾患を良くする事が大事です。規則正しい生活と適度な運動、身体にいい食事などに心がける事が大事です。
以前記事に書きました「妊娠させる力を高めよう」もご参照ください。
上記の原因の除去を行っても主訴が改善されない場合、薬物療法になってきます。薬物療法で使われる薬剤は、皆さんもご存知のファイザー製薬「バイアグラ」です。1999年にこの薬剤が日本で認可されてからEDというものが徐々に認知されてきたという背景もあります。そして近日中に、某メーカーから新薬が登場する予定もあるようです。
これらの薬剤は個人輸入で入手される事が多い現状ではありますが、それははっきり言って非常に危険です。この系統の薬剤は身体の状態によって使えない場合もあり、医師のきちんとした診断と処方によって効果を発揮するものです。薬の使い方を間違えると大きな副作用、場合によっては命さえ危険な副作用に結びつく事がありますのでご注意頂ければと思います。
それから薬剤以外には、次のような治療法があるようです。しかし、これらはケースバイケースで、医師の指示に従って使われるものですのでご注意ください。
●陰茎注射剤療法
陰茎に薬剤を直接注射して、陰茎の血管を弛緩させたり、拡張させることによって、勃起を起こします。
●真空式療法
真空式の勃起補助具を用いて陰茎に血液を流入させます。陰茎根部に装着した絞扼バンドで勃起を維持させるものです。
●インプラント療法
陰茎内に曲げ伸ばしのできる棒、またはふくらませることのできるシリンダーを手術によって挿入する方法ですが、あまり一般的ではないようです。
そして、不妊症とEDとは密接な関連性があるのです!次ページで説明していきましょう。